日本には47の都道府県があり、それぞれが独自の自然、歴史、文化、グルメ、イベントを持っています。観光地として訪れる魅力や住みやすさ、地域ブランド力を総合的に評価するのが都道府県魅力度ランキングです。
本記事では、2025年版ランキングを中心に、過去20年間の推移を振り返りながら、各都道府県ごとの具体的な魅力を詳細に紹介します。データはブランド総合研究所を中心に、じゃらんや観光統計も加え、多面的に分析します。
1. 都道府県魅力度ランキングとは
都道府県魅力度ランキングは2006年に開始され、全国の一般消費者を対象にアンケートを実施。評価項目は以下です：
- 観光地の魅力（自然・文化・体験）
- 食文化・グルメ
- 住みやすさ・生活環境
- 地域ブランド力（知名度・イメージ）
調査結果は総合スコアとして算出され、訪問意向やリピート意欲も反映されます。じゃらんやJTBなどの旅行データも加味され、多面的にランキングが決定されます。
2. 2025年ランキング概要
上位10都道府県と魅力ポイント
| 順位 | 都道府県 | 総合スコア | 主な魅力 |
|---|---|---|---|
| 1 | 北海道 | 75.4 | 大自然、四季の景観、海鮮・ラーメン、雪祭り |
| 2 | 京都府 | 70.1 | 古都の歴史文化、寺社仏閣、茶道体験、和菓子 |
| 3 | 沖縄県 | 68.5 | 南国リゾート、ビーチ、琉球文化、マリンスポーツ |
| 4 | 東京都 | 65.7 | 都市型観光、グルメ多彩、商業施設・文化施設 |
| 5 | 神奈川県 | 60.9 | 横浜中華街、鎌倉寺社、箱根温泉、アクセス良好 |
| 6 | 大阪府 | 59.4 | 食文化、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、道頓堀 |
| 7 | 福岡県 | 57.2 | 博多ラーメン、明太子、キャナルシティ、祭り |
| 8 | 長野県 | 55.1 | 北アルプス、温泉、スキーリゾート、りんご |
| 9 | 愛知県 | 54.0 | 名古屋城、味噌カツ、手羽先、産業文化 |
| 10 | 石川県 | 53.8 | 金沢兼六園、伝統工芸、海鮮 |
下位5都道府県と課題
| 順位 | 都道府県 | 総合スコア | 課題 |
|---|---|---|---|
| 43 | 埼玉県 | 34.5 | 観光資源PR不足、東京依存 |
| 44 | 栃木県 | 33.2 | 日光・那須観光は有名だが全国認知度低め |
| 45 | 群馬県 | 32.1 | 温泉・自然資源はあるが情報発信不足 |
| 46 | 茨城県 | 30.2 | 観光資源あるが全国認知度低い、PR不足 |
| 47 | 佐賀県 | 29.7 | ブランド化弱く全国知名度低め |
3. 過去20年間のランキング推移
北海道・京都・沖縄・茨城・佐賀・埼玉・栃木の推移
| 年度 | 北海道 | 京都 | 沖縄 | 茨城 | 佐賀 | 埼玉 | 栃木 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2005 | 1 | 3 | 5 | 40 | 44 | 35 | 33 |
| 2010 | 1 | 2 | 4 | 42 | 46 | 36 | 31 |
| 2015 | 1 | 2 | 3 | 45 | 47 | 38 | 32 |
| 2020 | 1 | 2 | 3 | 45 | 47 | 39 | 32 |
| 2025 | 1 | 2 | 3 | 46 | 47 | 40 | 33 |
- 北海道：20年間ほぼ1位、大自然・四季の魅力
- 京都：文化・歴史観光で安定
- 沖縄：リゾート観光で上位維持
- 茨城・佐賀：全国知名度の低さが順位に影響
- 埼玉・栃木：北関東の観光資源はあるが情報発信不足
4. 各都道府県の具体的観光・特産品・イベント
北海道
- 観光スポット：富良野ラベンダー畑、知床自然体験、札幌雪祭り
- グルメ：海鮮、ジンギスカン、スープカレー、ラーメン
- 季節イベント：冬の雪まつり、夏の花畑フェス
京都府
- 観光スポット：清水寺、金閣寺、銀閣寺、嵐山竹林
- 特産品：八ツ橋、抹茶スイーツ、京漬物
- イベント：祇園祭、葵祭
沖縄県
- 観光スポット：首里城、石垣島ビーチ、青の洞窟
- グルメ：ゴーヤチャンプル、ラフテー、沖縄そば
- イベント：沖縄全島エイサーまつり、海洋博
東京都
- 観光スポット：浅草寺、渋谷スクランブル、東京スカイツリー、上野動物園
- グルメ：寿司、ラーメン、B級グルメ、カフェ
- イベント：東京マラソン、花火大会
神奈川県
- 観光スポット：横浜中華街、鎌倉大仏、箱根温泉、江ノ島
- 特産品：崎陽軒シウマイ、横浜カレー、みかん
- イベント：鎌倉花火大会、箱根湯本温泉祭
茨城県
- 観光スポット：袋田の滝、偕楽園、水戸黄門像
- グルメ：納豆、あんこう鍋、メロン
- 課題：PR不足、交通アクセス改善の余地
佐賀県
- 観光スポット：吉野ヶ里遺跡、有田焼工房
- 特産品：有田焼、イカ、いちご
- 課題：全国的知名度低い
埼玉県
- 観光スポット：川越蔵造りの町並み、秩父長瀞ライン下り
- 特産品：草加せんべい、深谷ねぎ
- 課題：東京依存でPR不足
栃木県
- 観光スポット：日光東照宮、那須高原、鬼怒川温泉
- 特産品：とちおとめ、湯波
- 課題：全国認知度の低さ
5. 地域別傾向
- 北海道・東北：自然景観・温泉・祭りが評価
- 関東：東京中心。北関東は下位
- 関西・中部：京都、大阪、愛知が上位。歴史文化と都市型観光融合
- 九州・沖縄：沖縄上位。長崎・鹿児島は観光資源はあるがPR課題
6. 上昇・下降の要因
- 上位都道府県：
- 多様な観光資源
- 食文化・体験型観光
- 情報発信力・ブランド戦略
- 下位都道府県：
- 全国的認知度低い
- アクセス不便
- 観光情報発信不足
7. ランキング改善策
- SNSや動画コンテンツで観光PR強化
- 地域イベント・フェアで集客
- 宿泊施設・観光受入体制充実
- 交通アクセス改善
- 特産品・文化資源のブランディング
8. まとめ
2025年ランキングでは北海道・京都・沖縄が上位、茨城・佐賀が下位。過去20年間の推移から、観光資源の多さだけでなく、情報発信力とブランド戦略が順位を左右することが明らかです。各都道府県は独自の魅力を戦略的にPRすることで、ランキング上昇の余地があります。
データ出典：
- ブランド総合研究所「地域ブランド調査2025」
- じゃらん「都道府県魅力度ランキング2025」
