幼児教育のリーディングカンパニーとして、今や世界19か国以上に展開されている「七田式」。七田式教室は日本全国に広がりを見せており、今年に入ってからも15教室が新たに開校されました。(2020年4月時点)
幼児向けの学参市場においても、七田式ドリル教材は確固たるシェアを有しており、2020年にはソニー・グローバルエデュケーションと業務提携を果たし、プログラミング教室も順次展開していっています。
そのように、国内幼児教育において盤石な体制を築いているようにも見える七田式ですが、2018年に七田式から分裂するかたちで「イクウェル」が独立しました。従来、「七田チャイルドアカデミー」の名で広く知られていた幼児教室が「イクウェルチャイルドアカデミー」に突然名称を変えたことで、ユーザーは困惑し、話題にもなりました。
そこで今回は、七田式とイクウェルの教室を比較し、教材や指導内容についての口コミや評価をまとめました。七田式かイクウェルかどちらに子どもを通わそうか迷っている保護者の方々の参考になればと思います。
イクウェルの教室やコース
七田式の教室やコース
両社の教材比較
両社の口コミや評価
目次
イクウェルと七田式の分裂騒動
2018年に分裂するまで、七田式フランチャイズ教室として「七田チャイルドアカデミー」を運営してきたのが現在の「イクウェル」です。詳しい原因は明らかになっていませんが、いわゆる「のれん分け」のような友好的な業務分離ではなく、最後は大阪地裁での裁判にまで及び、両者は完全に敵対的するかたちで分裂しました。
七田式教育公式サイトでは、イクウェルに対して以下のような記述が見られます。
株式会社EQWEL(本社:大阪市)は七田式教育の実施権がなくなりました。
よって国内における七田式教室は、下記に記載された教室のみとなりますので、ご留意ください。【全国の七田式公認教室/七田式教育公式サイト】
この分裂によって被害を被ったのがチャイルドアカデミーに通っていた生徒、そして保護者の方々です。現場の講師も詳しい事情を知らないからか、騒動当初は教室から具体的な説明もなく、まさに寝耳に水で七田式がイクウェルに変わったのです。
イクウェルに変わったことで七田式時代に使用していた教材が使えなくなり、教材を新たに買いなおす必要が出てきました。また、「七田式」というブランドにこだわりがあった保護者にとっては、イクウェルへ子どもを通わすことのメリットを見出せず、教室からの自主退会を余儀なくされたのです。
EQWEL(イクウェル)とは
イクウェルチャイルドアカデミーを運営する株式会社EQWELの設立は1987年と古く、教室数は全国で293教室(2020年4月時点)にも及びます。
【EQWEL公式サイト】
イクウェルの「EQ」とは、頭の知能指数を示す「IQ」とは別の「心の知能指数」を表しており、どんな困難に直面しても解決手段を考えていく精神を養うことを教育理念として掲げています。
コース一覧
未就学児から小学生、妊婦さん向けのコースといったように、年齢別に細かくコース設定がされているのが特徴です。
生後0~5か月 / 幼児0~1歳 / 幼児1~2歳 / 幼児2~3歳 / 幼児年少 / 幼児年中 / 幼児年長 / 幼児英語 / 小学生コース / 小学生英語 / 胎教コース / 特別支援コース
七田式とは
1978年設立の株式会社しちだ・教育研究所は、全国各エリアに幼児教室を持ち、最近では東南アジアを中心に世界19か国に教室展開をしています。
【七田式公式サイト】
「認めてほめて愛して育てる」をキーワードとする教育方針が多くの保護者に支持されており、具体的な実践方法が記された著書も多数発刊されています。
コース一覧
七田式のコースはイクウェルと似通った教室展開になっています。イクウェルは幼児の年齢別にコースが分けられていますが、七田式も年齢別にオススメの教材や教育法を提示しているのでそれほど遜色ないといった印象です。
七田式は通信教育(幼児コースと胎教コースのみ)も受講できるほか、幼児・小中学生向けの教材やプリントはオンラインストアでも購入できるので自宅学習に優れています。
【七田式公式オンラインストア】
イクウェルと七田式の教材比較
イクウェルと七田式の教材は両社とも高い評価を得ています。分裂する2年前まではチャイルドアカデミーでどちらも同じ教材を使っていたこともあり共通点が多いです。それぞれの教材の良い点を中心にまとめました。
イクウェル教材の良い点
イクウェルのオリジナル教材は、2018年にイードアワード「教材が良い幼児教室」の部門1位を獲得しているように顧客満足度も高いです。その理由として、次のような特長があります。
遊びながら学べるので飽きない
思考力や語彙力を高められる
イクウェル教材『English Karuta』
英語コース向けの教材ですが、かるたの要領で楽しみながら英語力、瞬間的な記憶力を高めることができます。イラストカードとセンテンスカードが付いていて、付属のCDを使えば自宅で学習することができます。
イクウェル教材『ご家庭用CD Home Listening』
イクウェルの教材は教室だけでなく家庭学習にも優れています。その代表例が『Home Listening』教材で、CDを用いた音声で楽しく学習することができます。
収録されているものには、「てあそぶうた・童謡」といった幼児向けのものから「和歌・漢詩・俳句・ことわざ」といった国語的なもの、「電流・化学反応(理科のうた)」「地理的分野・歴史的分野(社会のうた)」など小学校の教科特有のものも学べます。
七田式教材の良い点
七田式が全国的に認知されている理由の一つが「七田式プリント」です。七田式教室には通っていないけれど、七田式プリントを使って自宅学習をしているご家庭も多く、右脳と左脳を鍛える知育教材としてパイオニア的存在です。七田式教材の特長は次のとおりです。
右脳の力を引き出すメソッド
受験につながる基礎学力が付く
七田式は中学受験に必要な基礎学力も付けることができ、学習塾に通う前のプレ学習として利用する場合も多いです。
七田式ペグワード
七田式教室で幼児期から学習するのが「ペグワード」とよばれる記憶力のトレーニング法です。写真は実際に独自のペグワードを絵で描いて覚えている様子です。
ペグワード法は、あらかじめ「1=いちご」「2=にんじん」「3=サンタ」…のように番号に合わせて簡単な単語を設定し、ペグワードとして暗記します。このペグワードをもとに、たとえば「国の面積ランキング」を覚えたいときに、「ロシアでいちごを食べる」「カナダでにんじんを育てる」のように、文章にして記憶していく方法です。
七田式教室では、このように独自のメソッドを取り入れた子どもの脳や心を育む教育を積極的に実践しており、その効果も高いことが実証されています。
七田式ドッツセット
ドッツとは、1~50までの赤丸がランダムに印刷されたカードを使って、右脳の計算力を高めるトレーニング法のことです。
算数そのものを教えるのではなく、子どもが本来持っている右脳の力を目覚めさせて計算力を底上げすることができます。
イクウェルと七田式教材の共通点
イクウェルと七田式教材を比べると、どちらも独自のメソッドを取り入れながら、子どもたちを惹きつけるようなおもしろい工夫がたくさんされていることに気づきます。
そして、驚きなのがその教材の種類の豊富さです。脳トレ一つとっても実にさまざまなタイプの教材が用意されていて、授業に夢中になる子どもが続出するのも納得がいきます。
イクウェルと七田式教材の違い
イクウェルと七田式の教材の違いとしては、イクウェルは教室レッスンでの効果に最も期待ができるのに対し、七田式は教室だけでなく自宅学習でも効果的であるという点です。
イクウェルはこれまでの七田式チャイルドアカデミーを支えていた講師陣が多数在籍しており、教材を最大限生かした教室レッスンに定評があります。
一方、七田式では確固たる実績を持つ七田式教材を、教室レッスンだけでなく自宅でも活用できるように拡充されています。オンラインストアも整備されているので、ますます家庭学習用教材として使い勝手に優れています。
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イクウェルと七田式の口コミ評価
自宅学習で利用されるイクウェル
イクウェルのすくすくドリルは自宅学習にも最適です。年齢別に学習できることはもちろん、一回の分量も少ないので子どももサクサク一人で取り組めます。
リトミック教材として利用されるイクウェル
自宅学習で利用される七田式プリント
子どもが自宅で一人で学習することができるのも、七田式プリントならではの特長です。ステップが細かいので、子どものつまずきが少ないところも保護者に評価されています。
ということで、幼児教室で評価の高いイクウェルと七田式についてまとめました。