台風の接近や通過に伴い、千葉県、東京都、神奈川県などの関東エリアをはじめ、全国各地の高速道路で通行止めや速度規制、大規模な渋滞が発生・懸念されています。大雨による道路の冠水や土砂崩れ、強風による横風注意・通行止めなど、台風がもたらす交通への影響は計り知れません。
この記事では、「高速道路の通行止めや渋滞情報:台風の影響や被害について」をテーマに、関東を中心に全国の主要高速道路の状況、台風時の規制基準、復旧見通しや安全なドライバーの対応策まで網羅してわかりやすく解説します。
1. 台風が高速道路に与える影響と現在の交通状況(総論)
台風が接近・通過する際、高速道路では以下のようなリスクが一気に高まります。
- 猛烈な雨(集中豪雨):視界不良(ホワイトアウト状態)、路面の冠水、ハイドロプレーニング現象の発生
- 強風・暴風:高架橋や沿岸部での横風による転倒・脱線リスク、飛散物(看板、樹木、シートなど)の飛来
- 地盤緩み:のり面(道路脇の斜面)の土砂崩れ、流木や土砂の道路流入
これらに伴い、国土交通省やNEXCO各社(NEXCO東日本・NEXCO中日本・NEXCO西日本)、首都高速道路などは、ドライバーの安全を最優先とするため「集中事前通行止め」や「速度規制(50km/h〜80km/h)」を実施します。
特に台風通過直前・通過直後は、雨が止んでいても道路点検や除石・排水作業が続くため、通行止めが解除されるまでに時間がかかり、周辺の一般道を含めて深刻な渋滞が発生しやすくなります。
2. 【関東エリア別】台風の影響による主要高速道路の状況一覧
千葉・東京・神奈川など被害の大きかった関東地方を中心に、各主要高速道路の台風の影響、過去の被害傾向、最新の通行規制・渋滞状況を詳しく見ていきましょう。
① 東名高速道路・新東名高速道路(神奈川・静岡方面)
- 主なリスク区間:
- 東名:神奈川県内の鮎沢PA〜御殿場IC周辺(山間部・急カーブ)、静岡県内の由比海岸付近(高波・沿岸部)
- 新東名:伊勢原大山IC〜新秦野IC、新富士IC〜新清水IC周辺(高架橋・トンネル出入口の強風)
- 台風時の主な規制:
- 大雨による50km/h〜80km/hの速度規制。
- 雨量が規制値を超えた場合の「大井松田IC〜御殿場IC」間の通行止め。
- 由比海岸付近での高波による下り線・上り線の通行止めやう回り指示。
- 渋滞・影響の特徴:
- 東名は東西を結ぶ大動脈であるため、一箇所でも通行止めになると、並行する国道1号や国道246号、新東名に車両が集中し、数キロから数十キロに及ぶ猛烈な渋滞が発生します。
② 首都高速道路(東京・神奈川・埼玉・千葉)
- 主なリスク区間:
- 湾岸線:鶴見つばさ橋、横浜ベイブリッジ、東京港トンネル周辺(強風・横風)
- 11号台場線:レインボーブリッジ周辺(強風)
- 1号羽田線・5号池袋線・C1環状線:低地部分やアンダーパス構造の冠水
- 台風時の主な規制:
- 風速が20m/sを超えた場合の各橋梁部(レインボーブリッジ、湾岸線橋梁等)の速度規制や通行止め。
- 集中豪雨による低架下・アンダーパスの冠水通行止め。
- 渋滞・影響の特徴:
- 首都高で1区間でも通行止めが発生すると、環状線や接続する放射線全体に渋滞が波及します。一般道への流出車両で都心の主要交差点が機能不全に陥ることもあります。
③ 東京湾アクアライン・館山自動車道・富津館山道路(千葉・南房総方面)
- 主なリスク区間:
- 東京湾アクアライン:川崎浮島JCT〜木更津金田IC(アクアブリッジ部分の激しい横風)
- 館山道・富津館山道路:君津IC〜富浦IC(山間部の切り通し・土砂崩れ・倒木)
- 台風時の主な規制:
- アクアライン:風速10m/s以上で速度規制(80km/h→60km/h)、風速20m/s以上で全面通行止め。
- 館山道・富津館山道路:連続雨量オーバーによる通行止め、倒木や風来物除去のための通行止め。
- 渋滞・影響の特徴:
- アクアラインが通行止めになると、千葉〜神奈川・東京間の連絡が京葉道路・東関東道路経由(陸回り)のみとなり、千葉県内の主要高速道路が大渋滞します。
④ 東関東自動車道・京葉道路・千葉東金道路(千葉方面)
- 主なリスク区間:
- 東関東道:成田JCT〜潮来IC、湾岸エリアの平野部(強風・冠水)
- 京葉道路:穴川IC〜貝塚IC周辺、各アンダーパス区間
- 千葉東金道路:千葉東JCT〜東金IC(のり面崩落・倒木)
- 台風時の主な規制:
- 冠水・大雨による50km/h制限および部分通行止め。
- 倒木・飛散物処理のための車線規制。
⑤ 首都圏中央連絡自動車道(圏央道)・東京外環自動車道
- 主なリスク区間:
- 圏央道:茅ヶ崎JCT〜八王子JCT(山間部)、稲敷IC〜木更津JCT(橋梁部・風切り音・横風)
- 外環道:大泉JCT〜三郷南IC〜高谷JCT(半地下構造・掘り割り区間の水没リスク)
- 台風時の主な規制:
- 山間部・高架部での雨風による速度規制(50km/h〜80km/h)。
- 掘り割り部への大量雨水流入時の冠水通行止め。
⑥ 中央自動車道・長野自動車道(山梨・長野方面)
- 主なリスク区間:
- 中央道:八王子IC〜大月IC〜勝沼IC(急勾配・山岳地帯の土砂災害・土石流リスク)、相模湖IC周辺
- 台風時の主な規制:
- 雨量指標オーバーによる長時間の予防的通行止め。
- 倒木や土砂流入に伴う緊急工事通行止め。
⑦ 関越自動車道・上信越自動車道(埼玉・群馬・新潟方面)
- 主なリスク区間:
- 関越道:水上IC〜湯沢IC(関越トンネル抗口付近の強風・大雨)
- 上信越道:藤岡JCT〜軽井沢IC〜長野IC(山岳区間の崩落リスク)
- 台風時の主な規制:
- 山間部の大雨に伴う速度規制(50km/h〜80km/h)および通行止め。
⑧ 東北自動車道・北関東自動車道(栃木・福島・東北方面)
- 主なリスク区間:
- 東北道:宇都宮IC〜那須IC〜白河IC(急な雨・横風・河川増水による冠水)
- 北関東道:友部JCT〜岩舟JCT(トンネル出入口・高架橋)
- 台風時の主な規制:
- 広範囲にわたる大雨・暴風規制(50km/h制限)。
⑨ 常磐自動車道(茨城・福島方面)
- 主なリスク区間:
- 常磐道:谷和原IC〜水戸IC〜いわき勿来IC(平野部の強風・阿武隈山地沿いの大雨)
- 台風時の主な規制:
- 視界不良や大雨による速度規制(50km/h〜80km/h)。
3. 【全国エリア別】各地域の高速道路における台風影響と被害状況
関東以外でも、台風の進路や前線の影響によって全国各地で高速道路の通行規制が発生します。
① 東北・北海道エリア
- 特徴:台風が温帯低気圧に変わりながら接近する際、長時間にわたる停滞前線と重なり大雨をもたらすケースが多い。
- 注意路線:東北道、秋田道、山形道、三陸沿岸道路、道央自動車道。山間部の土砂崩れや河川溢水による通行止めに警戒が必要です。
② 中部・東海・北陸エリア
- 特徴:伊勢湾台風に代表されるように、潮風・高潮・激しい雨が同時に襲う地域。
- 注意路線:伊勢湾岸自動車道(名港トリトンでの強風通行止め)、東名・新東名、名神高速、北陸自動車道(沿岸部の波浪注意)。
③ 近畿・中国・四国エリア
- 特徴:四国山地や紀伊山脈での雨雲発達による記録的豪雨、明石海峡大橋・瀬戸大橋などの連絡橋の強風。
- 注意路線:阪神高速(神戸線・湾岸線)、紀勢自動車道、神戸淡路鳴門自動車道、瀬戸中央自動車道、しまなみ海道、高知自動車道。
④ 九州・沖縄エリア
- 特徴:台風が最も強い勢力で上陸・接近しやすく、暴風・大雨のダブル被害が発生しやすい。
- 注意路線:九州自動車道、長崎自動車道、大分自動車道、宮崎自動車道、沖縄自動車道。全線にわたる早期の計画通行止めが実施されやすい傾向にあります。
4. 台風で高速道路が通行止め・速度規制になる基準とは?
「どれくらい雨や風が強くなると通行止めになるの?」と気になる方も多いでしょう。NEXCO各社や道路管理者は、厳格な安全基準を定めています。
通行止め・速度規制の一般的な判断基準
| 規制の種類 | 降水量(雨)の基準例 | 風速(風)の基準例 | 主な対象区間 |
| 速度規制(80km/h) | 1時間雨量 20mm以上 | 10分間平均風速 10m/s以上 | 全般 |
| 速度規制(50km/h) | 1時間雨量 30mm〜40mm以上 | 10分間平均風速 15m/s以上 | 全般 |
| 通行止め(緊急・予防) | 連続雨量 150mm〜200mm以上 (または組合せ指標超え) | 10分間平均風速 20m/s〜25m/s以上 | 海上橋、高架橋、山岳切り通し部等 |
※基準値は道路の構造(高架・トンネル・盛土・削土)や過去の災害履歴により区間ごとに異なります。
なぜ高速道路は雨や風に弱いのか?
- 高架構造が多い:地面よりも高い位置を通っているため、地上よりも強い風(風速が1.5〜2倍になることもある)を受けやすい。
- 高速走行前提の構造:時速100km近くで走るため、わずかな水たまりや横風が即座に大事故につながる。
- 逃げ場がない:一度進入すると次のインターチェンジまで降りられないため、冠水や崩落に巻き込まれた場合の孤立リスクが高い。
5. 台風通過後・復旧作業中の注意点と二次被害リスク
雨が止んで台風が一過したからといって、すぐに高速道路が通常通り走れるわけではありません。むしろ通過直後こそ警戒が必要です。
1. 通行止めがすぐ解除されない理由
- 道路点検(点検車両の走破):路面に亀裂がないか、のり面(斜面)が崩れかけていないか、橋に異常がないかを目視点検する。
- 障害物の撤去作業:吹き飛ばされた看板、倒木、散乱した枝葉、飛来したシートやゴミの清掃。
- 排水処理・清掃:冠水した区間の水抜きと、路上に残った泥や土砂の除去。
2. 解除直後の「大渋滞(集中渋滞)」
通行止めが解除された瞬間に、これまで一般道やパーキングエリア(PA)・サービスエリア(SA)で待機していた大型トラックや乗用車が一斉に雪崩れ込みます。これにより、事故や工事がなくても自然発注的な極めて激しい渋滞が発生します。
3. のり面崩落・湧き水による二次災害
台風が過ぎ去った後も、地中に溜まった雨水によって地盤が著しく緩んでいます。晴天になってから数時間〜数日後に山側の斜面が突然崩れる二次災害も報告されています。
6. 台風時の高速道路利用で役立つ「リアルタイム情報収集ツール」
台風接近時や移動時は、テレビのニュースだけでなく、道路管理者が発信する公式のリアルタイム交通情報を確認することが必須です。
おすすめ情報Webサイト・アプリ
- ドラぷら / ドライブトラフィック(DraTra)[NEXCO東日本]
- 全国(主に東日本)の高速道路のリアルタイム通行止め、速度規制、渋滞情報、ライブカメラ画像が確認可能。
- iHighway(アイハイウェイ)[NEXCO中日本 / NEXCO西日本]
- 中日本・西日本エリアを中心としたリアルタイム交通情報。通行止め解除のメール通知機能が非常に便利。
- 日本道路交通情報センター(JARTIC)
- 高速道路だけでなく、並行する主要国道や一般道の規制・渋滞情報も一括で確認可能。
- 首都高ドライバーズサイト / 首都高WEB[首都高速道路]
- レインボーブリッジや湾岸線の風速データやリアルタイム規制状況を確認可能。
- 各道路会社公式X(旧Twitter)
- 「NEXCO東日本(関東)」「NEXCO中日本東京支社」などの公式アカウントは、最新の緊急通行止めや復旧見通しを即時ポストします。
7. 台風接近時に運転しなければならない場合の「安全行動指針」
仕事や急用でどうしても台風の影響下で高速道路を運転せざるを得ない場合、命を守るために以下のドライビングマナーと準備を徹底してください。
運転中の安全テクニック
- 両手でハンドルをしっかり握る:高架橋やトンネルの出口では突然の横風で車体が持っていかれます。
- 速度を落とし、車間距離を通常の2〜3倍取る:路面が濡れていると制動距離が著しく伸びます。
- ハザードランプの適切な使用:猛烈な雨で前が見えない(ホワイトアウト状態)場合、後続車に自車の存在を知らせるためにハザードランプを点灯します。
- 水たまり(冠水箇所)を避ける:水深が数センチあっても、高速走行で水に乗ってしまう「ハイドロプレーニング現象」が発生し、ハンドルやブレーキが全く効かなくなります。
車内に常備しておくべき防災アイテム
万が一、高速道路上で通行止めや渋滞に巻き込まれ、何時間も動けなくなった(車閉じ込めトラブル)場合に備えましょう。
- 飲料水・非常食(パン、ゼリー飲料、チョコレートなど)
- 携帯トイレ・簡易トイレ(渋滞時の非常用)
- モバイルバッテリー(スマホの充電維持用)
- 毛布・アルミ防寒シート(エンジン停止時の寒さ対策)
- 懐中電灯・誘導灯
まとめ:最新情報をこまめにチェックし、無理な外出は控えましょう
台風による高速道路の通行止めや大渋滞は、ドライバーの安全を守るための不可欠な措置です。
- 事前に公式交通情報サイト(ドラぷら、iHighway、JARTICなど)で規制予定を確認する
- 台風のピーク時は不要不急の高速道路利用・車での外出を控える
- 通行止め解除直後も混雑や二次災害のリスクを考慮して無理のない計画を立てる
台風の影響は刻一刻と変化します。お出かけ前はもちろん、運転中もサービスエリアでの休憩時などに最新の道路状況・天気予報を頻繁に確認し、安全第一での行動を心がけましょう。

