日本では、少子化・子育て支援・教育費負担の軽減という観点から、いわゆる「高校無償化」制度が近年大きく注目されています。特に、私立高校に通う家庭にとって「授業料がどこまで支援されるか」「いつから」「所得制限はどうか」などの疑問は重大です。本稿では、キーワードである「私立高校無償化 いつから」「私立高校無償化 2025」「私立高校無償化 2026」などを念頭に、制度の全国的な動向と、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の最新状況を整理します。政府・自治体の公的なリリース・報道をもとに、表も交えて分かりやすくまとめました。
第1章 全国概況:制度の仕組みと改正のポイント
1-1 制度の基本仕組み
まず、国による制度「高等学校等就学支援金制度」の概要を確認します。国は、公立・私立を問わず高校生等の保護者の経済的負担を軽減するために、授業料に充てる支援金を支給しています。 家庭教師のあすなろ+3文部科学省+3文部科学省+3
たとえば、「年収目安約910万円未満の世帯が対象」などの条件が設けられています。 文部科学省+1
また、過去には「私立高校等授業料の実質無償化」が2020年4月から実施されたという資料もあります。 文部科学省+1
1-2 2025〜2026年にかけての改正ポイント
近年、制度改正が立て続けに発表されています。主なポイントは以下の通りです。
- 2025年度(令和7年度)から:公立高校・私立高校を含めて、所得制限の一部撤廃や支援対象の拡大が予定されています。例えば、2025年度から全世帯を対象に支援を拡大する見通しという報道があります。 FPI-J 生活経済研究所長野+2学習塾・個別指導塾の東京個別指導学院+2
- 2026年度(令和8年度)以降:さらに、私立高校に通う生徒について、全国平均授業料相当額(年間45万7,000円程度)が上限になる支援を検討中という報道があります。 リセマム+1
- また、自治体レベルでも「所得制限なし」あるいは「所得制限の大幅緩和」が進んでおり、地域間の格差是正を目指す動きがあります。 家庭教師のあすなろ+1
1-3 表:全国基準・改正スケジュール(国ベース)
| 年度 | 対象・条件 | 支援内容・上限額 | 補足事項 |
|---|---|---|---|
| 2024年度以前 | 所得制限あり(例:年収約590万円未満など) | 私立高校:上限39.6万円/公立高校:11.88万円など(目安) みんなの生命保険アドバイザー+1 | 所得制限・地域差あり |
| 2025年度 | 所得制限を縮小・撤廃方向 | 全世帯対象化へ動き始める(詳細自治体・地域で差) FPI-J 生活経済研究所長野+1 | 国が動き、自治体対応が鍵 |
| 2026年度以降 | 私立高校への支援強化/所得制限撤廃予定 | 支援上限を年間45.7万円程度を見込む リセマム+1 | 地域・学校形態(全日・定時・通信)で差異あり |
(注:上記金額・年度は報道・政府資料に基づく「目安」であり、各都道府県・学校・制度によって異なる場合があります。)
第2章 東京都の状況
2-1 制度概要と改正ポイント
東京都では、国の就学支援金制度に加えて都独自の助成制度を実施しており、特に私立高校に通う家庭に対する負担軽減が強化されています。たとえば、2025年度から年収制限を撤廃し、全世帯を対象とした助成へと改められています。 進研ゼミ+1
都の案内によれば、「所得制限なく私立高校等の授業料支援が受けられます」という報道もあります。 東京メトロ
2-2 支援金額・負担軽減試算
東京都の資料によると、2025年度(令和7年度)私立高校全日制の初年度納付金(授業料+入学金+施設整備費等)平均は次の通りです。 進研ゼミ
- 授業料:約486,531円
- 入学金:253,782円
- 施設整備費等:225,581円
- 合計:約965,894円
このうち、国の就学支援金(11万8,800円)+都の助成(最大約94,000円)を差し引いた実質負担額の例が次の通りです。 進研ゼミ
| 世帯年収(目安) | 1年次実質負担額(円) |
|---|---|
| 590万円未満 | 約475,894円 |
| 590万円以上 | 同じ実質負担額(※都補助額調整済) |
※3年間での実質負担額試算も東京都の資料に記載あり。 進研ゼミ
2-3 注意点・手続き
- 東京都では、2025年7月1日からオンライン申請を開始しました。 東京メトロ
- 授業料だけでなく、入学金・施設整備費等は助成対象外の場合があるため、学校ごとに確認が必要です。 進研ゼミ
- 「東京都から他県の私立高校へ通う場合」など、居住地・通学先の都道府県によって支援条件に差が生じるケースがあります。
第3章 神奈川県の状況
3-1 制度概要
神奈川県においても、私立高校の授業料実質無償化を進めるための県独自制度が存在します。たとえば、年収750万円未満世帯まで、授業料最大約468,000円の支援、入学金最大約211,000円補助という区分があります。 進研ゼミ
3-2 支援概要・金額
神奈川県のホームページなどによると、例えば「私立高校の学費と授業料の実質無償化」という特集において、上記金額が示されています。さらに、地域・学校によって初年度納付金の平均など試算も提示されています。 進研ゼミ
ただし2025・2026年度に関して県がどこまで制度を改正・拡充するかについて、公的リリースで明確に「いつから」「いくら」という完全な数字が出ているものは少なく、今後の動向を注視する必要があります。
3-3 留意点
- 通信制・定時制高校、県外校通学といったパターンでは支援額・条件が異なる可能性があります。
- 神奈川県から東京都・他県の私立高校に通う場合など「県外通学」の扱いが制度上のハードルとなることがあります。
- 年収750万円未満という区分は比較的広めですが、2026年度以降のさらなる拡充(年収無制限・上限額引上げ)について政府の動きと併せて確認することが望まれます。
第4章 埼玉県の状況
4-1 制度概要
埼玉県では、国の「高等学校等就学支援金」制度に加えて、県独自に「父母負担軽減事業補助金」を設定し、私立高校等に通う家庭の教育費負担軽減を図っています。 埼玉県公式サイト
4-2 補助額・概要
埼玉県のリーフレット(令和7年度)によると、全日制高校の場合、入学金・施設費等および授業料等納付金が補助対象になっており、補助額上限が学校種別により異なるという表示があります。 埼玉県公式サイト
ただし、県公式サイト上では「いつから」「いくらで」という全国統一水準ではなく、各学校・納付金・年度によって異なるため、実際の金額試算には個別確認が必要です。
4-3 留意点
- 私立高校に通う家庭としては、「国支援+県支援」の合算を考える必要があります。
- 所得制限・家族構成・納付金の額によって補助対象・金額上限が異なり、単純に「無条件で全額無料」という状況ではありません。
- 今後、2026年度以降にかけて制度改正が予想されるため、申請要件・申請時期・支給方法などを最新で確認すべきです。
第5章 千葉県の状況
5-1 制度概要
千葉県に関して、国の制度が適用されているほか、県独自に授業料軽減策を講じている自治体もあります。ただし、千葉県公式ウェブサイト上に「2025年度から私立高校無償化がいつから・いくらで」という明確な県全体統一案が、全国報道レベルで整理されていないため、ここでは現時点で確認できる範囲で整理します。
5-2 確認できる内容
- 国の支援制度適用:高等学校等就学支援金制度を通じて、私立高校の授業料支援が実施されています。 文部科学省+1
- 県独自の助成制度が、各市町村・学校・世帯で異なる可能性があるため、千葉県在住・通学を考えている家庭は、各高校・市町村教育委員会に問い合わせが必要です。
- 報道によれば、2026年度以降に支援の全国統一化・所得制限撤廃が予定されており、千葉県内でも制度変更の検討対象となっています。 リセマム+1
5-3 注意点
- 千葉県については、東京都・神奈川に比べて「支援額」「制度開始時期」「所得制限撤廃」の進展が報道面ではやや遅れている印象があります。
- 学校選択(私立高校)や通学地域(市町村)によって「負担軽減の実感」に差が出る可能性があります。
- 支援制度だけでなく、通学費・教材費・施設費など「授業料以外の学費」も考慮した家計設計が重要です。
第6章 比較分析と論点整理
6-1 地域・年度間の違い
これまで整理してきたように、「私立高校無償化(授業料支援)」については、国・自治体・学校レベルで次のような差が存在します。
- 開始時期・改正時期:国の改正では2025年度から大きな転機、2026年度から支援強化予定です。自治体によっては、東京都のように2024年度から所得制限撤廃の先行例もあります。
- 支援額・上限額:東京都では国支援+都助成で授業料ほぼ実質無料化となる例がありますが、他県では国支援のみ、または独自助成が少ないという構図もあります。 note(ノート)
- 所得制限・対象世帯:従来は「年収約590万円未満」などが目安でした。2025〜2026年度にかけて所得制限撤廃・緩和の動きが出ています。 塾選(ジュクセン) | 日本最大級の塾・学習塾検索サイト+1
- 通学形態・学校種別の影響:全日制・定時制・通信制・県外通学など、学校の形態・通学先によって支援条件が異なる場合があります。
6-2 論点:支援充実 vs 制度運営課題
「私立高校無償化 おかしい」というキーワードが示すように、制度には疑問・批判の声もあります。主な論点を整理します。
(+)メリット
- 家計負担を軽減し、私立高校への進学の選択肢を広げる。
- 教育機会の公平化・少子化対策の一環として意義が高い。
- 所得制限撤廃により、より多くの家庭が恩恵を受けられる可能性。
(−)課題・批判
- 所得制限が撤廃された場合、財源確保や制度維持の課題がある。
- 地域・学校間で支援額・条件に差があり、「都道府県によって不公平」との指摘。 note(ノート)+1
- 授業料以外の学費(施設費・教材費・通学費など)は依然として負担が残る場合がある。
- 私立高校人気の偏在・学校間格差を助長する可能性も常に議論に上がっています。 ダイヤモンド・オンライン
6-3 表:東京都 vs 神奈川 vs 埼玉 vs 千葉 比較(2025年度ベース)
| 都道府県 | 所得制限の有無・緩和状況 | 私立高校支援(授業料等)おおまか金額 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 年収制限なし(2025年度から) 進研ゼミ+1 | 授業料+都助成で実質ほぼ無料化(例:授業料486,531円→支援により実質負担約47万円/初年度) 進研ゼミ | 手続きオンライン対応、入学金・施設費別途負担あり |
| 神奈川県 | 年収750万円未満世帯まで拡充済み 進研ゼミ | 授業料最大約46.8万円支援+入学金最大約21.1万円補助 進研ゼミ | 通学先・学校種別によって支援額が異なる可能性あり |
| 埼玉県 | 国支援+県補助あり 埼玉県公式サイト | 補助額上限・学校種別により変動。明確な全国平均表示はなし | 県補助額・納付金額を学校ごと確認が必要 |
| 千葉県 | 国支援適用。県独自制度が学校・市町村レベルで異なる | 現時点で「いつから・いくらで」という統一数値は公表が少なめ | 他県と比べて支援額・開始時期の明示がやや遅れている印象 |
(注:上記は公的資料・報道に基づく「おおまかな目安」です。実際の支援額・条件・申請要件は、学校・年度・家庭の状況により異なります。)
第7章 保護者・生徒が知っておきたい手続き・チェックポイント
7-1 申請時期・方法
- 多くの都道府県では、入学時(4月頃)に申請手続があり、学校を通じて案内されます。 文部科学省+1
- 東京都では、2025年7月1日からオンライン申請の受付を開始した案内があります。 東京メトロ
- 所得証明・マイナンバー・世帯がどの補助対象になるかの確認が必要です。 しゅふJOB
7-2 確認すべき事項
- 所得制限の有無・年収目安:家庭の構成・働き方(共働きかどうか)で目安年収が変わる場合があります。 しゅふJOB
- 学費の構成:授業料だけでなく、入学金・施設整備費・通学費・教材費なども考慮。東京都の例では授業料以外の費用が大きく影響しています。 進研ゼミ
- 通学先・学校種別:県外通学・通信制・定時制などの場合、支援条件が異なるケースあり。
- 2026年度以降の改正予定:支援上限額引上げ・所得制限撤廃などが予定されており、進路選択時には「2025年度/2026年度で制度が変わる」ということを念頭に置くべきです。
7-3 家計試算のヒント
私立高校を検討する家庭では、次のような試算をすると安心です。
- 現在の納付金(授業料+その他)を確認し、国+県・都補助を差し引いた実質負担額を試算。
- 2026年度以降に「支援上限45.7万円/所得制限撤廃」が実現する可能性を見据え、家計・進学計画を長期的に考える。
- 授業料以外の費用(通学費・修学旅行・制服・教材)も加味する。
- 学校を変える選択肢もあるため、支援制度・条件が有利な地域・通学先を比較検討する。
第8章 おわりに:今後の展望と私見
本稿では、「私立高校無償化 いつから?」「2025/2026 年」「東京都・神奈川・埼玉・千葉」などを中心に整理しました。
今後、教育費負担軽減を目的とした制度改正は続くと見られており、特に2026年度以降には、私立高校支援の上限額引上げ・所得制限撤廃という大きな転機が予定されています。 文部科学省+1
その一方で、地域や学校間の支援差・授業料以外の負担・制度運営の透明性という課題も残っています。例えば、「支援制度はあるが利用できるのか」「支援額だけで十分か」「地域格差・学校格差はないか」という問題です。
私見としては、私立高校を検討する家庭・生徒にとって、制度だけに「全て頼る」ではなく、「学校・家庭・進学プランを早期に見据えて準備する」ことが重要だと感じます。制度改正があっても、実際の負担軽減や学びの環境改善につながるかは、申請・学校選定・通学環境など多くの要素によります。
また、自治体・学校は「支援制度を知ってもらう/申請をスムーズにする」「授業料以外の負担軽減を図る」という対応が今後さらに求められるでしょう。 文部科学省
進学を考えるご家庭・生徒の皆さまには、本稿を起点に「いつから/いくらで/どこまで支援があるか」を早めに確認し、制度変更の流れを把握しておくことを強くお勧めします。
第9章 全国:愛知県・北海道・福岡県の最新状況
9-1 愛知県の状況
制度概要
愛知県では、全国の制度である 高等学校等就学支援金制度 に加え、県独自の授業料軽減補助制度を設けています。例えば「私立高校授業料軽減補助金」制度があり、全日制私立高校の授業料を、世帯の課税標準額や市町村民税の控除額に応じて月額数千円補助するなどの支援があります。 愛知県公式ウェブサイト+2aichi-shigaku.gr.jp+2
また、2025年度(令和7年度)時点で、世帯年収590万円未満を目安として私立高校授業料「実質無償化」の報道もあります。 進研ゼミ+1
支援金額・特徴
愛知県公式ページによれば、例えば私立高校1年生で課税標準額×0.06-市町村民税調整控除額が「0円~154,499円」の世帯では、月額 4,100円の県補助+月額33,000円の国の就学支援金で、月額合計37,100円、年額445,200円まで補助対象となっています。 愛知県公式ウェブサイト
また、54校平均で授業料年額445,608円程度というデータも出ています。 aichi-shigaku.gr.jp
留意点
- 所得制限の「目安」が設定されていますが、実際の審査では住民税や控除等が影響します。
- 補助の基準が課税標準額・市町村税控除額など細かく設定されており、家庭によって対象となる補助額が変動します。
- 対象は「県内在住であること」「県内の私立高校に通うこと」などの条件があるため、県外通学や定時・通信制では適用条件が異なる可能性があります。
- 「家計負担が完全に0円」というわけではない世帯もあり、特に授業料以外の施設費・教材費・通学費などは別途負担の可能性があります。 shigaku-josei.org
9-2 北海道の状況
制度概要
北海道においても、国の就学支援金制度に準じた支援と、道独自の「私立高等学校等授業料軽減制度」が設けられています。道教育庁の説明によれば、「保護者等の所得を審査し、認定となった場合は授業料相当の金額を支給する」仕組みです。 道の駅北海道+1
また、札幌市など自治体レベルでも「2025年度から高校生の返還不要授業料支援の対象者の範囲が広がった(公立・私立問わず、すべての世帯に年間118,800円支給)」という案内があります。 イクハク(子育て支援制度の速報と解説)
支援金額・特徴
- 国の支援として、2025年度段階で「年間11万8,800円まで」の支給対象範囲拡大が報じられています。 進研ゼミ+1
- 道独自の補助「授業料軽減補助金」は、対象学校設置者に対して道から支給し、学校収受扱いとなるケースがあるなど、手続きや支給タイミングに工夫があります。 北海道庁
留意点
- 北海道では学校・通学先・地域によって支援制度の適用・補助額に差がある可能性が高いため、進学希望校の「授業料構成」「補助対象かどうか」を事前確認することが重要です。
- 2026年度以降、全国改正案では「私立高校 授業料平均45.7万円まで支給・所得制限なし」案が出ています。北海道においてもこれに準じた対応が期待されます。 リセマム+1
9-3 福岡県の状況
制度概要
福岡県では、私立高校授業料支援として、国の就学支援金制度と県独自の「私立高校等授業料等に対する支援制度」が併設されており、生活保護世帯・住民税非課税世帯対象の奨学給付金などもあります。 f-sigaku.com+2中村学園三陽+2
2025年度(令和7年度)案内によると、「私立高等学校等就学支援金」において、所得制限(年収目安約910万円以上)で支給対象外となっていた世帯を対象に「授業料相当額(私立については一部)」支給する臨時制度が設けられています。 福岡県公式サイト
支援金額・特徴
- 制度案内には、支給は「令和8年7月以降の手続き完了後」「私立高校等に在籍する生徒については10月以降支給予定」といった時期情報も明示されています。 福岡県公式サイト+1
- 福岡県私学協会によれば、令和2年4月から「私立高校授業料実質無償化」が始まったとする説明もあり、特に「年収590万円未満目安世帯」などが対象になったとの記述があります。 九州産業大学付属 九州産業高等学校+1
留意点
- 福岡県では、支援制度の対象・補助額・申請時期・手続きが他県と比べて“慣例的”に複雑とされる声もあります。たとえば「提出期限」「申請書類」「道外通学校に在籍する場合の郵送手続き」などが細かく案内されています。 北海道庁
- 他県と同様、授業料以外の納付金(入学金・施設整備費・通学費)についての負担が残るため、「実質無償化」という言葉を鵜呑みにせず、家計全体での試算が必要です。
9-4 全国比較表(主要都府県+追加3県)
以下に、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県に加え、愛知県・北海道・福岡県を含めた 7都府県の比較(2025年度を中心)を簡易表で整理します。
| 都道府県 | 所得制限(目安) | 私立高校授業料支援・無償化水準* | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | なし(2025年度から) | 授業料+都助成で実質ほぼ無料化(例:初年度授業料約486,531円) | 入学金・施設費等は別途負担あり |
| 神奈川県 | 年収約750万円未満(2025) | 授業料最大約468,000円支援+入学金最大21.1万円補助 | 通学先・学校種別で支援額変動 |
| 埼玉県 | 所得制限あり、県補助も併用 | 補助額上限・学校種別で変動、全国平均明示少 | 学校・市町村ごとの条件確認が必要 |
| 千葉県 | 国支援適用。県独自助成、まだ明確初期情報少 | 授業料支援ありだが県全体統一数値未明確 | 助成制度・条件が学校・自治体別の可能性あり |
| 愛知県 | 世帯年収590万円未満目安(2025) | 年額445,200円補助もしくは授業料相当水準支援 | 課税標準額×0.06-市町村控除額など細かな基準あり |
| 北海道 | 所得制限あり(国の制度) | 授業料支援制度あり。2025から年間11.88万円支給対象範囲拡大 | 学校・地域で支援額・条件が異なる |
| 福岡県 | 所得制限あり(最新改正対象世帯拡大中) | 私立高校授業料等支援制度あり。実質無償化始動。 | 申請手続き・支給時期に特別ルールあり |
*「私立高校授業料支援・無償化水準」は報道・公的資料をもとにした「目安」であり、実際の支援額は学校・年度・世帯により変動します。
第10章 全国拡大改正の展望と対応策
10-1 2026年度以降に向けた全国改正の流れ
先に整理したように、全国的には以下のような制度改正の動きがあります。
- 2025年度から、国公立高校・私立高校ともに所得制限を「年収約590万円未満」などから更に緩和・撤廃へ向けた動き。 進研ゼミ+1
- 2026年度からは、私立高校に通う生徒を対象に「全国平均授業料相当額(約45万7,000円)を上限とし、所得制限なしで支給する案」が報じられています。 リセマム+1
- この改正が実現すれば、「私立高校の授業料を事実上無償化する」体制が全国レベルで整う可能性があります。
10-2 各都道府県の対応状況
上記改正を前提に、都道府県では以下のような対応が必要とされます:
- 支援制度の所得制限撤廃・補助上限引上げに伴う予算確保と運営体制整備。
- 各学校・家庭・地域への制度周知と手続き簡略化。
- 通学費・教材費・施設費など授業料以外の費用負担軽減策も併せて検討。
- 地域・学校間格差の是正。現在、支援額・条件に都道府県差があるため、全国改正後も地域格差を縮小する必要があります。
10-3 家計・進路選択者への対応策
保護者・生徒が今後制度を最大限活用するために押さえておきたいポイントは以下の通りです:
- 早めに進学先と制度を確認:2025/2026年度で制度が変わるため、進学予定校・学費構成・支援条件を早期に調べること。
- 授業料以外の費用も確認:授業料が支援対象としても、入学金・施設整備費・通学費・教材費が残るケース。家計試算にはこれらも含める。
- 県外・通信制・定時制など特殊通学形態を検討する場合:支援条件が都道府県によって変わることがあるため、進学先の制度対応状況を確認。
- 制度改正を見据えた家計設計:2026年度から支援が上限引上げ・所得制限撤廃となる可能性があるため、「この先何年通うか」「支援水準が変わる可能性」を踏まえた進学戦略を立てる。
- 申請手続きの漏れ防止:学校・都道府県から案内が出る時期・申請書の提出期限・必要書類を確認し、手続きを遅滞なく進める。
結論
今回の記事では、「私立高校無償化はいつから・いくらで始まる?」「2025/2026年」「東京都・神奈川・千葉・埼玉に加えて愛知・北海道・福岡」などを中心に、最新制度動向・地域別比較・改正展望を整理しました。
特に、2026年度以降に私立高校授業料支援が全国平均額を上限に、所得制限なしで支給される可能性が高まっており、私立高校進学を検討する保護者・生徒には制度そのものの動向把握が重要です。
一方で、制度の「支援額」だけに注目するのではなく、地域・学校・家庭による条件差・授業料以外の費用・申請手続き・通学形態の違いなどを含めた準備が必要です。
私見としては、制度変更が追い風になる今こそ、「希望校選び+家計設計+制度活用」の3本柱を早めに整えるべきだと感じます。特に地方・私立高校進学を検討している家庭では、「無償化=負担ゼロ」とは必ずしもならず、“負担軽減の枠”であるという認識を持ったうえで、制度の狙いや条件を熟知しておくことが進路を安心して選択する鍵になるでしょう。


