小学生にとって習い事の一つや二つは当たり前、多い子どもだと習い事を五つ以上も掛け持ちしているなんてこともしばしば耳にします。
習い事の数が必要以上に多すぎると、子どもにストレスがかかることはもちろん、習い事の送迎といった親の負担も増え、時間や費用の面でも様々な弊害が起こりかねません。はたして、小学生にとって習い事の数はいくつぐらいが適切なのでしょうか。
そこで今回は、小学生を対象に「適切な習い事の数」についてまとめてみました。エビデンスとして、次の子どもの実態調査を参考にしています。
小学生の平均習い事数
小学生の1週間の習い事
小学生の習い事ランキング
オススメのプログラミング教室
目次
小学生の習い事の数はいくつくらい?
小学生にとって習い事の数はいくつくらい、週何回くらいのが適切なのでしょうか。平均的な1週間あたりの習い事の割合、習い事率を見ていきましょう。
最新の小学生習い事ランキング【2020年】
まず、当編集部調べによる小学生の最新の習い事ランキングは次のようになっています。
2位…学習塾
3位…通信教育
4位…ピアノ
5位…英会話
6位…習字・書道
7位…サッカー
8位…そろばん
9位…体操
10位…ダンス
子どもの習い事ランキング【2020年最新版】
男の子に人気の習い事TOP5、女の子に人気の習い事TOP5は次のようになっています。
男の子の習い事ランキング
2位…学習塾
3位…通信教育
4位…英会話
5位…サッカー
女の子の習い事ランキング
2位…ピアノ
3位…学習塾
4位…英会話
5位…習字・書道
小学生の平均的な習い事の日数モデル
小学生の習い事は大きく「スポーツ活動の習い事」「学習活動の習い事」「芸術活動の習い事」の3つに区分できます。多くの小学生はこれらをバランスよく組み合わせながら、放課後や休日に決められたスケジュールで習い事を受けていきます。
ちなみに、習い事などの教育情報サイト「ケイコとマナブ.net」によると、子ども一人当たりの習い事の数は全国平均で約1.92個という結果も出ています。まったく習い事をさせないご家庭も一定数あることを考えると、小学生の習い事の数は約2~3個くらいが平均的でしょう。
ランキング上位に入った習い事の平均的な週の日数をもとに分類すると次のようになります。
ピアノ、英会話、習字・書道、体操、ダンス
水泳、サッカー、そろばん
学習塾、通信教育
習い事ランキング1位の「水泳」は小学生の約35.5%が通っているという結果が出ています。つまり、小学生の3人に1人は水泳を習っており、かつ、水泳は週2回習う場合が多いので、小学生の3人に1人は最低週2日は習い事に時間を割いているとも考えられます。
習い事ランキング2位「学習塾」と3位「通信教育」については、小学1年~4年に多いのが「通信教育」、小学4年~6年に多いのが「学習塾」と学年別に差別化される傾向があります。ただし、公文教室の場合も「学習塾」に該当するため、低学年の一定数は「学習塾」に通っているといえます。
男女別ランキングや習い事に関する口コミなどから、小学生4年生の平均的な習い事の一週間のスケジュールをまとめました。なお、中学受験のカリキュラムが本格化すると多くの小学生が塾以外の習い事をやめることから、中学受験本格化前の小学4年生を基準としています。
男の子の習い事スケジュール
月曜日 | 水泳(スイミング) |
---|---|
火曜日 | 学習塾(公文) |
水曜日 | |
木曜日 | 英会話 |
金曜日 | |
土曜日 | 水泳(スイミング) |
日曜日 |
習い事が3個、週4日通う場合で、平均的な小学生の習い事スケジュールです。
水泳は幼児のときから始めるケースが多く(幼児の約21.2%が水泳を習っている)、小学生になっても継続するご家庭が多いです。子どもの興味によっては、水泳から野球やサッカーなどの違うスポーツに乗り換えることもよくあります。
また、学校の授業への不安から、公文などの学習教室であったり、新課程から教科化される英語の準備として英会話に通わせたりするご家庭も増えてきます。公文は週1~2コマの場合が多いので、2コマ通うのであれば、平日は週4日習い事をなります。
女の子の習い事スケジュール
月曜日 | 習字・書道 |
---|---|
火曜日 | |
水曜日 | |
木曜日 | ピアノ |
金曜日 | そろばん |
土曜日 | |
日曜日 |
*通信教育を毎日約30分程度受講する
男の子との違いとしては、スポーツ活動である習い事がない分、習字・書道やピアノなどの芸術活動の習い事を多く習っている点です。
学習塾に通っていませんが、通信教育で家庭学習する習慣も持っています。また、小学生のうちに大切な計算力をそろばんで身につけようとしています。
小学生の習い事は3個くらい、週3~4日が平均的
上記の平均モデルでも示しているように、小学生の習い事の数や頻度としては、数が3個くらいで、週に平日3日、休日1日ほど習い事を受ける場合が多いという印象です。
小さい頃から通っている習い事は途中でやめるタイミングがつかみづらく、小学校高学年までずるずると継続してしまうご家庭も多いでしょう。とくに、習い事内で子どもどうしが友達になっている場合、友達と交流をする場としての役割も習い事にはあるため、親も決心しづらいところがあります。
習い事はいくつくらいが負担が少ないのか
子どもの習い事の数は、だいたい3個、週3~4日程度レッスンがあるくらいが平均的ですが、それを上回ると「相対的に多い」という印象になってきます。
2020年度以降は小学校英語の教科化に加えて、プログラミング教育も必修化されることから、各地でプログラミング教室が増えています。内容も学校では学べないようなロボットを用いた実践的なプログラミング授業となるため、子どもの興味関心も高く、「プログラミングを習いたい!」と親にお願いする子どもも出てくるでしょう。
問題なのはそうなった場合に、今習っている習い事を取捨選択できるかどうかです。もしも、今までの習い事を辞めきれず、新たな習い事をするようになって、週5~6日もの時間を習い事に割くようになってくると様々な負担や弊害が起きてきます。
子どもの負担面(精神的、肉体的)
まず、習い事が多すぎることによる子どものストレスを考慮しなければなりません。
たとえ、初めは自分から「習いたい」と親に懇願した習い事であっても、小学生の時分は様々な環境変化ですぐにモチベーションは上がり下がりします。
子どもにとって行きたくもない習い事が放課後に待っていると、学校の授業から集中できなくなったり、一日の間で心を休める時間がなくなったりと精神的な負荷は大きいでしょう。
もちろん、子どもの成長や学力アップのためにも、多少の負荷は我慢してでも習わせたい習い事はあると思いますが、必要なものとそうでないものをしっかりと見極めることが保護者には求められます。
子どもの肉体的な負担というよりも、精神的な負担、いわゆるメンタルケアが大事であるということをしっかりと認識し、子どもとコミュニケーションを図りながら、その子にとって必要な習い事を選択していきましょう。
家計の負担面(金銭的)
習い事の費用もばかにできません。学習費調査によると、全国の小学生がいる家庭の習い事にかける費用の平均は、公立小学校が年間21.3万円、私立小学校が年間64.7万円となっています。(塾などの「補助学習費」も含みます)
つまり、公立小学校でも平均で毎月約1.8万円を習い事に充てていることになり、習い事をしていない家庭も含めての平均を考え直すと、実態としては毎月3万円以上は習い事費用を負担している家庭が多いはずです。
これが一人ならまだしも、習い事は兄弟姉妹がいれば下の子も上の子と同じように習わす場合が多いので、2倍、3倍と家計を圧迫していきます。
また、上記の習い事費用には、教室までの送り迎えのガソリン代や演奏会・大会参加費といったイレギュラーな出費は計上されていないことを考えると、家計における習い事費用の割合はかなりの額を占めるといえるでしょう。
習い事が多すぎることのデメリットを理解する
子どものためを思う保護者の方々からすれば、習い事はどれもが必要なものに見えてくるかもしれませんが、メリットだけでなくデメリットもあることを十分に理解したうえで、子どもの本音も上手く引き出しながら、適切な習い事の種類と数を調整していく必要があります。
小学生だと、最初に示した「約3個、週3日が平均的」だと意識しながら、その地域のほかの子どもたちの実態も踏まえつつ、子どもに負荷がかかりすぎない範囲で習い事をしていってください。
近年の中学入試国語科では、大学入試改革の影響を受けて思考力系の問題を出題する学校が増えています。今後は知識での差はつきにくく、思考力を問う問題の出来不出来が受験の結果を左右しかねない状況です。どんな問題が出題されるか気になる方は、Z会の無料資料請求で「ほねぶとワーク」という思考力系の問題だけを集めた問題集がもらえるので、この機会に情報収集に利用してみてください。中学受験コースで資料請求すると「最難関6
小学生にオススメの習い事とは
プログラミング教室が熱い!
先ほどから述べてきたように、2020年以降は小学生の習い事ランキング上位にプログラミング教室が必ず入ってきます。
なぜなら、小学校で習うプログラミング教育はあくまでも「プログラミング的思考」という問題解決のための考え方を習うのに対し、プログラミング教室では子どもが好きなロボットやコンピュータ、ゲームを活用した体験を通して、プログラミングに必要な力を実践的に伸ばせるからです。
今年度以降、とくに注目のプログラミング教室をいくつかご紹介します。
ロボットプログラミング教室「Crefus」
対象は、5歳~15歳までならだれでも参加が可能です。
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【Crefus】
IT×ものづくり教室「LITALICOワンダー」
昨年時点で約2600名もの子どもが通塾している最も人気があるプログラミング教室です。子ども一人一人に合わせて学習カリキュラムを作成してくれるので、伸ばしたい力を効率よく伸ばすことができます。
対象は、年長~高校生までならだれでも参加が可能です。
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【LITALICOワンダー】
パズル×ロボット×プログラミング「自考力キッズ」
小学校低学年向けに、パズルやロボットといった能力開発系のコンテンツを活用したプログラミング教室です。ブロック遊びやパズル遊びが好きな小学生から人気を集めています。
高学年向けには「エジソンアカデミー」というプログラミング教室もあります。
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パズル・ロボット・プログラミング、全部できるのは、自考力キッズ
レゴブロックを使った「Z会プログラミング講座」
あのZ会がレゴブロックを教材として提供するプログラミング講座です。学校のプログラミング教育で重視される「プログラミング的思考力」を伸ばすことができます。
対象は、基礎編が小学校1年生~4年生、発展編が小学校4年生~です。