中学受験生の睡眠時間、就寝時間はどのくらいが適切なのでしょうか。ほかのご家庭ではどのくらいの時間を目安にしているのか、保護者の方は気になるところかと思います。
中学受験勉強をしていると平日の週4日はそんな状態が続き、いくら受験生といっても成長期の小学生に十分な睡眠が摂れているのか心配になってしまいます。でも、周りの受験生たちは同じような睡眠時間で頑張っているとも聞く。
そんな受験生のママやパパたちの疑問を解消するために、中学受験生の睡眠の実態について調査しました。
具体的には、中学受験生の保護者が悩みを書く「インターエデュ」や「yahoo!知恵袋」に寄せられた相談や返答を集約し、中学受験生たちのリアルな「睡眠時間と就寝時間の標準目安」を導き出しています。
結論を言えば、中学受験生の…
平均的な睡眠時間は「7時間」。
平均的な就寝時間は「夜11時」。
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目次
睡眠不足が引き起こす弊害とは
小学生にとって睡眠不足が続くことにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
厚生労働省が2014年に発表した「健康づくりのための睡眠指針2014」によると、睡眠時間が短くなったり、睡眠の質が低下すると子どもには次のようなリスクがあるとされています。
体重増加が遅くなる
メンタルヘルスが悪化する
学業成績が低くなる
体重増加が遅くなる
資料のなかでは、「就寝時間が遅いと体重増加が平均よりも下回る可能性が高まる」ことが述べられています。
とくに、成長期にあたる小学生~高校生の時分は、就寝後に成長ホルモンが分泌されることがわかっていることからも、夜更かしを減らして適度な就寝時間を守ることが大切です。
メンタルヘルスが悪化する
上記のなかで、中学受験生にとってとくに注視すべきは「メンタルヘルス(精神的な健康)」の問題です。
資料のなかでは「日本人の中学生・高校生を対象にした横断研究では、就寝時刻が遅い者ほど、メンタルヘルスの所見を有する割合が多い」とされており、就寝時間が遅く、十分な睡眠時間を確保できていない子どもは精神的な病気を引き起こすリスクが高いといわれています。
中学受験生のように、常に成績評価や周りとの競争、先生や親からのプレッシャーといった精神的に厳しい環境においては、メンタルヘルス不調のリスクはきわめて高く、保護者は注意が必要です。
学業成績が低くなる
睡眠から朝起きるときの覚醒までのリズムが不規則だと、学業成績が低下するという研究結果も示されています。
毎日の就寝時刻や起床時刻が遅いと生活リズムも付きにくく日中の集中力も低下することから、受験勉強にも支障をきたしてしまいます。
中学受験生の睡眠時間と就寝時間
中学受験生の睡眠時間の割合
中学受験生たちの実際の睡眠時間の割合を調べました。「インターエデュ」「yahoo!知恵袋」に寄せられた50件の口コミをもとに、5~9時間の一時間単位で区切ってまとめています。その結果、中学受験生の間でもっとも多かったのが「7時間(38%)」、次いで多かったのが「8時間(28%)」でした。
中学受験生を持つ保護者たちの間では「7時間睡眠」が最も適切であるという認識が広がっており、「塾では7時間睡眠を心がけるように指導された」という内容の口コミが多く見られました。
また、小学4年生と小学5・6年生の間にも差が見られ、概ね4年生のときから-1時間ほど、5・6年生になると睡眠時間が短くなる傾向が見られました。
中学受験生の就寝時間の割合
睡眠時間と同じ方法で、就寝時間についても調べてみました。56件の口コミを集約し、夜9時~深夜1時までを一時間単位で区切っています。その結果、中学受験生たちの間で最も数が多かったのが「11時台(34%)」で、次いで「12時台(31%)」という結果が出ました。
やはり、睡眠時間と同じで、小学4年生から学年が上がるにつれて就寝時間が遅くなる傾向が見られ、6年生の夏休みには「12時台就寝」の割合が高くなっています。
起床時間は朝7時頃の中学受験生が多く、「11時台就寝」であれば「8時間睡眠」、「12時台就寝」であれば「7時間睡眠」が実現できているようです。
関東と関西の違い
睡眠時間や就寝時間は、学年や通塾している学習塾、志望校によっても差が見られ、偏差値が高いほど睡眠時間は少なくなっていく傾向が見られました。
原因として、塾からの帰宅時間が遅い日には10時を過ぎることや帰宅してからも課題や宿題に追われてしまう受験生が多いことが挙げられます。
また、受験生が住んでいる地域が関東か関西かでも大きく差が見られました。
具体的には、関東よりも関西のほうが「就寝時間」が遅く、「睡眠時間」が約1時間ほど短いような傾向が見られました。
たとえ志望校が同じ全国偏差値だったとしても、関西の受験生のほうが十分な睡眠時間を取れておらず、全体的に「周りがそうしているからわが子も同じようにしなければいけない」というような良くない風潮もあるようです。
睡眠時間を確保するためには
睡眠時間を確保するためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。勉強する量を減らすことはできないので、次の3つの観点を意識して、保護者の方は子どもの勉強や生活全般の管理・サポートをしてあげてください。
「受験勉強のピーク」を意識する
「優先順位」を意識する
「睡眠の質」を意識する
受験勉強のピークを意識する
まずは、入試本番の6年生2月に心身のピークを持っていけるように、これからの睡眠時間を管理していきましょう。
入試前の11月~2月には、気温も下がり空気も乾燥してくるため、例年風邪などで体調を崩してしまう受験生が多いです。しっかりと睡眠時間を確保して、身体的な健康を維持させるためにも、過度な夜の学習は避けることが大切です。
したがって、遅くとも12月までを受験の追い込み期間と定めて、12時までに必ず就寝して朝7時に起きる「7時間睡眠」を、年が明けて本番1か月前の1月には、11時までには就寝して朝7時に起きる「8時間睡眠」を心がけましょう。
次第に近づいてくる本番に、受験生も保護者も焦る気持ちはわかりますが、勉強に対する集中力やモチベーションといった精神力は適度な睡眠があってこそ生まれるものなので、「寝るときは寝る」という方針をしっかりと家族で共有することが大切です。
勉強の優先順位を意識する
塾の復習や予習、学校の宿題など、受験生にとっては「毎日やらなければならない課題」がたくさんあります。
志望校合格に向けてひたむきに努力する受験生にとっては、その一つでも十分にこなせないものがあると納得できず、日付がまたいでも課題をこなしてしまう、なんてこともしばしばあります。
ですが、学習には必ず優先順位があり、必要なものとそうでないものを見極めて、効率的に課題をこなしていくことも重要です。そして、それらの配分は小学生にはできず、客観的に見ていられる保護者の役割でもあります。
塾からの課題や指導は、志望校別の入試問題の傾向から組み立てられた、ある意味どんな受験生(同じ志望校であれば)に対しても一律の対策です。なぜなら実績をもとに均質なカリキュラムを提供できることこそが塾の強みでもありますから。
ただし、受験生の苦手分野や現在の心身の状況を一番よく知っているのは保護者なので、すべてを塾や受験生自身に委ねてしまうのではなく、家庭学習に関しては保護者が管理していく責任があることを認識し、うまく学習の優先順位を示してあげてください。
その際の注意点としては、負けん気が強く、自立心の高い受験生ほど寝る間を惜しんで机に向かってしまう傾向があるため、正しくコミュニケーションを図り、睡眠をとることの必要性を示すことが大切です。
そのためにもやはり早い時期から生活リズムを整え、睡眠をしっかり摂ることの重要性を受験生自身が体感できるようにしておきましょう。
睡眠の質を意識する
上述したように、受験生に「勉強を切り上げてもう寝なさい」と言っても、布団に入ってすぐに寝れるとは限りません。
まして、思春期でもあり、受験に対して不安や悩みを多く抱える状態でもあるため、布団に入ってすぐに寝つけずに、気づけば1時間以上経ってようやく就寝できて朝は満足に起きれないなんて受験生も多いです。
もしかしたら、親にはそのような状態を悟られないように、毎日良質な睡眠を摂れていない可能性だって捨てきれません。
ですので、より質のよい睡眠を摂れるようには、受験生に対して心配りや手助けをしてあげることも大切です。
次のようなことを意識して、ご家庭で取り入れられるものは実践してみてください。なお、ここでの情報は大塚製薬の「睡眠メディアラボ」を参考にしています。
・毎日決まった時間に寝る習慣をつける
・朝起きたら朝日を浴びる
・朝ごはんは毎日食べる
・昼寝は30分以内にする
・就寝前にお湯に浸かって体温を上げる
・夜にスマホやパソコンを見ない
・電気は消して寝る
枕を変えてみることもオススメ
睡眠の質を上げるために、子どもの枕を変えてみることもオススメです。AmazonなどのWEBショップで圧倒的な人気を誇る枕をご紹介します。
ということで、中学受験生の睡眠についてまとめました。よい眠りを覚えて、受験に向けて心身のバランスを整えていきましょう。
Z会では中学受験コースで資料請求すると「最難関6