共働き世帯の増加に比例して、放課後に子どもを民間の学童保育「ネオ学童」に預けるご家庭が増えています。
公立の学童保育は定員を上回る応募でなかなか入れないという背景もありますが、最近では学童を中学受験勉強の準備期間と捉え、高い費用を払ってでも民間の学童保育に通わせたいと考える保護者も多くなっています。
また、そういった状況に反応するかのように、学習塾や習い事スクールといった民間企業の学童保育への参入も増えており、英会話やプログラミングなどの専門的な学びを提供し、独自性を打ち出しています。
そこで今回は、小学生の子どもを学童保育に預けるか検討しているご家庭に向けて、今話題の「ネオ学童保育」とはどのようなものかを詳しくまとめました。後半には、オススメのネオ学童保育も複数紹介しています。
民間と公立の学童保育の違い
ネオ学童の費用・料金
ネオ学童に通わせる年齢や時間
オススメのネオ学童サービス
目次
ネオ学童保育とはなにか?
そもそも学童保育とは、国や自治体が主体となり、共働きで親が家を留守にしている放課後に、子どもを預かってもらう保育事業です。主に小学生を対象に、宿題をしたり遊んだりできる場所を与えることで、安全な生活空間を保障しています。
このような学童保育を「公立の学童保育」とよぶのに対し、「ネオ学童保育」とは、民間の企業が運営する「民間の学童保育」を指します。
民間の学童保育と公立の学童保育のちがい
公立の学童保育は、地域によって「放課後児童クラブ」や「学童クラブ」「学童保育所」などとよばれており、あくまでも子どもたちが安心して過ごせる場所を提供するのが目的です。
一方で、民間の学童保育「ネオ学童」では、勉強や習い事を教える先生がいて、親を待つ間決められた秩序のもと、子どもたちに勉強させたり遊ばせたりします。
最近では、ダンスやピアノ、英語など、人気の習い事を「専門的に学べる」といった付加価値を重視するネオ学童が増えており、放課後の待ち時間を有効活用できると保護者に支持されています。
なかには、希望者には夕食を提供し、自宅まで子どもを送るといったサービスをする施設もあるなど、民間ならではの強みを生かしています。
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公立の学童保育の実態
公立の学童保育では、利用・登録をしている子どもが約130万人にも及び、2019年では前年比で約6.5万人も増えています。
また、同年には全国18,261人の子どもが待機児童となっており、多くの子どもたちが学童に入りたくても入れない状況が続いています。
【「令和元年 放課後児童クラブの実施状況」/厚生労働省】
小学1年生:2,352人(前年比315人減)
小学2年生:2,027人(前年比 86人減)
小学3年生:4,345人(前年比329人増
小学4年生:5,720人(前年比408人増)
小学5年生:2,838人(前年比534人増)
小学6年生:979人(前年比112人増)
ネオ学童保育の料金、預かり時間、年齢など
ネオ学童保育の料金・費用
公立の学童保育の費用が月額約4,000~6,000円で、平日は18時くらいまで、土日だと9時~17時くらいまで子どもを預かってもらえます。また、自治体によっては助成金制度があったり、二人目以降は減免措置があったりするなど、料金負担は少ないです。
一方、ネオ学童保育は民間の企業が運営するため、サービス内容によっても費用にムラがあり、全体的にかなり高いという印象です。週2日預かってもらう場合で、費用は月額約30,000~40,000円で、国や自治体から補助は得られないので全額自己負担となります。
一見するとネオ学童保育の費用は高く見えてしまいますが、それもそのはず、ネオ学童保育は学童保育+習い事のサービス内容となっているからで、習い事の費用も含まれていることを忘れてはいけません。
小学生のピアノの習い事の費用相場は月額約6,000~10,000円、英会話の費用相場は月額約10,000~15,000円程度かかることを加味すると、ネオ学童保育は習い事の送り迎えも必要なく、安心して子どもを任せられることから、料金以上に得られるメリットは大きいと考える保護者の心理に頷けます。
学童保育はいつからいつまで?年齢は何歳くらい?
2015年に児童福祉法が改正され、公立の学童保育では小学1年生~6年生まで子どもを預けることが可能になりました。
ですが、改正前が小学3年生まで(10歳未満)しか受け入れていなかったこともあり、実態としては小学校中~高学年の受け入れをしていない学童保育もあることが確認されています。
公立の学童保育に対して、ネオ学童保育の場合は民間が運営しているため、年齢制限は公立のようにはなく、未就学児や小学校卒業後も利用できる施設もあります。
民間企業が運営する人気のネオ学童保育
それでは最後に、民間企業が運営しているネオ学童保育を3施設ご紹介します。習い事として、「英語」や「プログラミング」に特化したものなど、サービス内容もあわせてまとめています。
KidsDuo(キッズデュオ)
特長 | 日本語を一切使わずに、英語だけで過ごす民間学童保育 |
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コース | ・小学生コース(1年~6年) ・幼児コース(3歳~年長) |
料金 | 月額約30,000~65,000円 |
サービス | ・ネイティブとバイリンガルのダブル体制 ・小学校から学童保育までの送迎バス付 ・英語上級者、帰国子女限定コースあり ・最長20:30まで預かり可能 |
放課後から家に帰るまでの最長6時間、毎日英語漬けの日々を送れるネオ学童保育施設です。2019年の民間学童保育ランキングでも圧倒的な人気を誇り、多くの保護者から支持されています。
【KidsDuo】
日常会話は日本語を一切使わずに英語だけで行います。外国人の英語ネイティブ講師と話すときはもちろん、友達と話をするときも英語を使うため、生活に結び付けながら無理なく英会話をすることができます。
また、英語を授業として受講するわけではなく、ゲームや音楽、プログラミングなど、子どもたちが楽しめることを中心にカリキュラムが組まれ、英語を用いながら体験できるため、さまざまな能力の向上に期待できます。
ただし、キッズデュオの料金は月額約30,000円~65,000円と、相場と比べても少し高めの設定になっています。
アフタースクールワイズ
特長 | 探求心を育む教材学習に強い民間学童保育 |
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コース | ・小学生コース(1年~3年) ・幼児コース(年少~年長) |
料金 | 月額約32,000~66,000円 |
サービス | ・入退室管理メール、デジタルロック、防犯カメラ設置 ・スタッフによる学校直接お迎えサービス ・昼食・夕食サービスあり ・最長22:00まで預かり可能 |
生徒数約7万人の学習塾「栄光ゼミナール」が運営するネオ学童保育施設です。Z会ホールディングス傘下ということもあり、Z会通信教材を学習コンテンツとして利用できるため、本格的な勉強に取り組むことができます。
【アフタースクールワイズ】
とくに、栄光ゼミナールは中学受験で実績のある学習塾であるため、小学1年~3年生の低学年の時期に、中学受験対策の準備期間として捉えている保護者も多いといえます。
最近では、プログラミング教育や英語教育にも力を入れているため、新課程の小学校でも必要となってくる力全般を身につけていくことができます。
アフタースクールワイズの料金も、比較的高めの設定となっています。月額料金もそうですが、入会時には入会金や入会セットとして、約30,000円程度負担する必要があります。
しんが~ずクラブ(伸芽’Sクラブ)
特長 | 学習塾の受験対策が受けられる民間学童保育 |
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コース | ・幼児コースのみ(1歳~年長) |
料金 | 月額約55,000~90,000円 |
サービス | ・給食サービスあり ・夜間延長は21:00まで ・集団学習を受けられる ・豊富な習い事サービス |
小学校受験や幼稚園受験で実績のある伸芽会が運営するネオ学童保育施設です。小学生ではなく、幼稚園児や保育園児が対象となっています。通常の託児サービスに習い事を付けた「プラスワン教育」というコースがあります。
【しんが~ずクラブ】
プラスワン教育では、英語やヴァイオリン、ピアノ、ダンス、体操などを体験できるほか、小学校や幼稚園の受験対策として、個別指導クラスも開講しています。
学童保育施設ですが、どちらかというと学習塾の要素がたくさん詰まっているので、放課後に受験対策準備を始めたい保護者に人気です。
ということで、保護者の間で人気のネオ学童保育についてまとめました。
料金が少し高いと思うかもしれませんが、自宅でただ遊ばせるのではなく、確かな目的や目標を持って子どもが安全に過ごせる場所を求めるのであれば、このような施設を活用することも大切ですし、中学受験の準備期間として試してみるのもいいでしょう。