大学入試には、一般入試とAO入試とは別に、「推薦入試(指定校制と公募制の2種類)」が存在していましたが、2021年度入試から廃止になるという事実はご存知でしょうか。
かねてより、推薦入試にはさまざまな問題点があり、「大学入試では廃止にすべき入試形式である」という意見も多く聞かされていましたが、いよいよ2020年度以降の大学入試改革にあわせて推薦入試も廃止となり、新たに「学校推薦型選抜」に生まれ変わります。
そこで今回は、
推薦入試の問題点とはなんだったの?
推薦入試と学校推薦型選抜の違いは?
学校推薦型選抜の日程スケジュール
といったことを詳しくまとめました。学校推薦型選抜に変わることで、出願時期や合格発表時期、さらには試験の内容そのものも変更となるため、受験生は注意が必要です。
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目次
推薦入試はいつからなくなるの?
推薦入試は、2020年度入試(2019年9月~2020年3月に実施、合格発表されたもの)を最後に廃止となりました。
2020年4月から高校3年生になる受験生たちは、推薦入試ではなく「学校推薦型選抜」を受験することとなります。
推薦入試の問題点や課題とはなんだったの?
従来の推薦入試には以下の問題点がありました。
●合格発表時期が早いため、合格した生徒はその後勉強しなくなる。
●「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」といった評価が不十分で、事実上「学力不問」となっている場合が多い。
推薦入試に合格した高校生は学習意欲が著しく低下する
推薦入試の合格発表時期は文科省による「設定がない」ので、11月以降の試験実施後、すぐに合格発表をする学校も多かったです。
つまり、2学期の終わりにはすでに進路が決定している高校生が多く、その生徒たちは冬休みにバイトをしたり、3学期の学習がおろそかになってしまったりしていました。
本来設定されている高等学校時での学習カリキュラムが十分に機能しておらず、大学進学後に必要な基礎学力が備わっていない学生が続出、大学教育に円滑につなげることが困難になっていたのです。
学力テストがないため、実質「学力不問」に
推薦入試では、高校(主に担任教諭や事務局)に書いてもらう「調査書(推薦状)」を提出するだけで、学力試験を課されない場合が多いです。
推薦入試の種類は以下の2種類です。
指定校制 | ・高校によって「推薦枠」が決まっており、募集定員が少ないため成績優秀者が推薦を受けやすい。 ・推薦されると、ほぼ間違いなく合格できる。 ・面接のみ課せられることが多い。 |
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公募制 | ・大学が公募する形のため、募集定員が多い。 ・出願時には「指定校制」同様に、高校に調査書を書いてもらう。 ・出願しやすいため、不合格となることも多い。 ・面接以外にも小論文や作文も課せられることが多い。 |
いずれも、偏差値をはかる学科試験や教科別の試験がないため、実質的には学力不問で大学に入学することができる実態がありました。
高校での成績は良くても、一般入試を経て入学した学生とでは教科別の学力が十分に備わっておらず、大学入学後の授業で後れを取ってしまうケースも多いといわれています。
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推薦入試と学校推薦型選抜の違いとは?
従来の推薦入試と新しい学校推薦型選抜での違いは、「合格発表時期」「評定方法(試験項目)」「調査書の内容」の3点です。
学校推薦型選抜は推薦入試よりも合格発表が遅くなる
推薦入試と学校推薦型選抜は出願時期は同じく「11月以降」ですが、合格発表の時期が学校推薦型選抜では「12月以降」と定められています。
出願時期 | 合格発表時期 | |
推薦入試 | 11月以降 | 設定なし |
学校推薦型 | 11月以降 | 12月以降 |
先ほど述べたように、合格発表を早くして高校での学業がおろそかになってしまうことを避けるために、学校推薦型選抜では合格発表時期を従来よりも遅い12月以降に設定しています。
学校推薦型選抜では試験の評価方法が変わる
学校推薦型選抜では、従来の高校が作成する調査書に加えて、下記の①または②のいずれかを必ず評価するように定められています。【「総合型選抜における評価方法の改善点」/文科省】
①大学側設定の試験
・小論文、プレゼンテーション
・口頭試問、実技
・教科に関連したテスト
・外部検定試験の成績 など
②大学入学共通テスト
学校推薦型選抜の場合、合格発表時期は12月頃のため、翌1月に試験を予定している大学入学共通テストは活用することが難しいといえます。そのため、主に①の「大学側が独自に作成した試験」が中心になると考えていいでしょう。
推薦入試では調査書さえ提出すれば、あとは面接だけで合格するケースが多かったですが、学校推薦型選抜では大学側が独自に作成した小論文や筆記テストを受験する必要が出てきます。
調査書で「学力3要素」の記載が必須に
従来の推薦入試の調査書とはちがって、次の内容を記載する、または大学側が評価の際に活用することを義務づけています。【「総合型選抜における評価方法の改善点」/文科省】
・本人の学習歴や活動歴を踏まえた「学力の3要素(知識・技能/思考力・判断力・表現力/主体性・多様性・協働性)」に関する評価を記載する
課題でもあった知識や技能、思考力や表現力などを正しく評価することが求められるようになり、学生も対策をする必要が出てきます。
また、「学習歴」や「活動歴」を調査書に明記するよう変更した背景には、すでに新課程で実施されている高校の「探求」の授業とも関係があります。
「総合的な探求の時間」が高校で必修となり、課外活動や研究発表の場が増えていることから、そこでの活動や実践例をうまくアピールすることが求められます。
ということで、2020年度より廃止された推薦入試に代わって、早ければ今年の11月には試験が実施される学校推薦型選抜について、詳しくまとめました。
こちらに学校推薦型選抜の対策方法もまとめています!
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