受験

学校推薦型選抜の対策!志望理由書・推薦書の正しい書き方

2021年度大学入試から、推薦入試に代わって「学校推薦型選抜」が新たにスタートします。

推薦入試のときに実施されていた「指定校制推薦」や「公募制推薦」の区分けは学校推薦型選抜でも踏襲されることになりますが、今回の改訂により、試験方法や評価観点、推薦書の記載内容に変更があります

とくに注意したいのが、指定校推薦の校内選考時に提出を求められる「推薦希望書」、公募推薦で大学側に対して提出を求められる「志望理由書」または「自己推薦書」です。

いずれも、大学側が評価する観点、重視する観点が新しい学校推薦型選抜では変わっているので、従来どおりの推薦入試対策をしていると、思うような結果はついてこないでしょう。

そこで今回は、新しく導入された「学校推薦型選抜(旧:推薦入試)」や「総合型選抜(旧:AO入試)」の小論文・作文対策として、推薦希望書や志望理由書を書くときの注意点や対策方法をまとめました。

ナビこ
ナビこ
「4ステップ作文」を使えば、説得力のある文章を書くことができるよ!後半で解説!
この記事を読んで得られる情報

・学校推薦型選抜と推薦入試の違い
・学校推薦型選抜の評価のポイント
・推薦希望書や志望理由書の書き方
・推薦前にしておくべき準備や対策

学校推薦型選抜の解説はこちら!

学校推薦型選抜と推薦入試の違い
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学校推薦型選抜と推薦入試の違い

学校推薦型選抜と推薦入試の違い

まずはじめに、推薦入試から学校推薦型選抜に改訂したことによる変更点を簡潔にまとめます。

学校推薦型選抜と推薦入試の違い

①合格発表時期が遅くなる

学校推薦型選抜では合格発表が12月以降にしか出せません。

従来の推薦入試では、11月頃には合格発表を出す大学も多かったですが、今回の改訂から12月に入るまでは合否結果がわからなくなります。

理由の一つとして、学校推薦型選抜では思考力や判断力、主体性などを大学側がしっかりと評価することが求められているからでもあります。

②推薦書に学習歴や活動歴の評価が書かれる

①で述べたように、高校が受験生を推薦する際に書く推薦書の記載内容が変更となりました。

学力の3要素といわれる「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」の観点で高校在学時の学習歴や活動歴を評価し、推薦書に記載がされます。

そして、大学側は受験生を審査する際に、その評価内容を活用することが求められています。

③学力試験が課せられる

学校推薦型選抜では、大学が作成した小論文やプレゼンテーション、教科別のテストなどが課せられることになります。

従来は、調査書提出後は面接を受けて合否を待つ形式が多かったですが、一次試験で小論文や教科テストといった「知識や思考力、表現力などを判断する試験」も行ったうえで、面接のある2次試験に進むケースが多くなります。

大学の数だけ試験内容が多様化する可能性もあるので、それぞれの試験内容を各大学HPなどから確認することが重要です。

①合格発表は推薦入試時代よりも1か月近く遅い「12月以降」となる。

②推薦書の記載内容に「生徒の学習歴や活動歴」が必ず明記、活用される。

③小論文や学科試験などが課せられるようになる。

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学校推薦型選抜の評価のポイント

学校推薦型選抜の評価

学校推薦型選抜が推薦入試と決定的に違うのは、「受験生の評価」を適正に行うように全国の大学に義務づけているところです。国公立大も私立大も同様です。

これは、従来の推薦入試(とくに、指定校制推薦)が推薦さえ受けられれば、学力の有無を問われずにほぼ100%大学に入学できてしまっていた状況を問題視しての改訂です。

今回からは、高校が作成する推薦書にも「受験生の学習歴や活動歴、学力要素の評価」を明記させるとともに、大学側にもそれらを選抜時に適正に評価、活用することが指示されています。

つまり、受験生は指定校制推薦や公募制推薦を得るために評定平均(内申点)を満たすことはもちろん、推薦書や活動報告書、志望理由書を書く際の「材料」として、高校在学時に主体性や多様性、協働性などをアピールできるような「活動実績や学習成果」を作っておくことが大切になります。

ナビまる
ナビまる
2次試験で課せられる面接は、ほとんどが一次の書類審査で提出した推薦書や小論文をもとに質疑応答をして進められるからね。面接までを見越して書類は作成する必要があるってことだよ。

小論文や作文の書き方が極めて重要

学校推薦型選抜を受験するうえで、受験生は最低1回は何らかの小論文や作文を書くことになります。

指定校制推薦ならば、校内選考用に「なぜ学校推薦型選抜を希望するのか」の理由をしたためた志望理由書

公募制推薦ならば、大学提出用に自己推薦書や入学希望書などの自己アピールとなる書類

以上のものを、学校推薦型選抜の入試形式に応じて、受験生は提出を求められます。

なお、校内選考用の志望理由書は大学側に提出されることはなく、あくまでも校内での推薦候補を選抜するための書類ですが、今回からは高校が大学に提出する推薦書に生徒の主体性や多様性評価、活動報告など義務付けられることから、推薦書を先生が書く際の参考として、校内選考用の志望理由書が活用されることは十分考えられます。

よって、校内提出用であろうと大学提出用であろうと書く際のポイントに大きな差はなく、共通して次の点を押さえて書くことを意識しましょう。

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自己推薦書や志望理由書を書くときのポイント

推薦書や志望理由書の書き方

推薦書の4ステップ作文

下記のイメージで「4ステップ作文」をします。推薦書などに文字量の指定がない場合は、原稿用紙2~3枚分(800~1200字)を目安に調整しましょう。

興味 自分の人物像
(興味や関心、問題意識、将来像)

主張 高校時代の具体的な経験
(①の根拠・きっかけ・補足)

結び付き 大学を選んだ理由
(研究内容、求める人物像)

気持ち 将来の夢
(社会に出た後の目標や夢)

興味 自分の人物像に興味を持たせる

文章のはじまりでは、あなたがどのようなことに興味関心があって、どのようなことに問題意識を持っているのかを、あなたが普段見聞きしている状況や事柄をもとに言葉にしましょう。

いきなり志望理由について言及するのではなく、まずは簡潔な文章であなたの人物像をイメージしてもらうことが大切です。とくに、読み手は大学の先生方であり、たくさんの受験生の作文・小論文を読むことになるので、読み手の立場に立って独り善がりな文章にならないように注意しましょう。

ナビまる
ナビまる
初めて会ったときの第一印象と同じで、文章からも書き手の印象は伝わるよ。まずは相手に「この人の話を聞いてみたい」と思ってもらえるように、丁寧に話の導入部を作ろう。

 私が生まれ育った地域では、他地域に比べて高齢者人口の割合が高く、最近では駅前の商店街がいわゆるシャッター街と化しています。 祖母も口癖のように「昔に比べて子どもの姿を見かけなくなった」と漏らしており、街全体に元気がないなと高校生ながらに感じています

その一方で、2年前に隣町が世界文化遺産に登録されたこともあり、最近では外国人観光客を目にする機会も増えてきました。今はまだ「寝泊りする場所」としての位置づけが強いようですが、外国人を呼び込むようなサービスやイベントができれば、町おこしにつながっていくのではと感じています。まだ自分のやりたいことははっきりとしていませんが、将来なんらかの形で、この生まれ育った町に貢献できるようなことをしていきたいです。(325字)

街全体に元気がないなと高校生ながらに感じています

この文章では、書き手がどのようなことに関心があって、それに対してどのように感じているのかを率直に示しています。書き始めはテンプレート(定型文)に頼る受験生が多いなか、あなたにしか書けない感情や感想を表現することで、読み手に興味を持ってもらえます。

まだ自分のやりたいことははっきりとしていませんが、将来なんらかの形で、この生まれ育った町に貢献できるようなことをしていきたいです。

大切なのが、必ず「自分が将来どうありたいのか」を示すことです。なぜなら、この後の文章はその「将来像」をもとに展開していくので、「この受験生はこういう目標、目的を持っているんだな」と思ってもらわなければなりません。また、あえて正直に「まだ自分のやりたいことははっきりとしていませんが」と書くのも有効です。嘘をついてまで「この仕事に就きたい!」と断言するよりかはよっぽど好感が持てます。

上記で示したように、まずは「何に対して興味関心があるのか」、そして「どのような目標や目的を持っているのか」を簡潔に示しましょう。

よく自己推薦書や志望理由書にありがちなのが「私はこの職業に就きたいんです!」とはっきりと断言しているような文章です。

確かに今から「この仕事に就きたい」と本心から思っているのであればすごいことですが、一方で大学の先生方は「大学での学びを受けて視野を広げていってほしい」とも思っています。

高校生では将来の生き方に対して迷いや悩みがあって当然ですし、むしろ大学でいろんな気づきやきっかけを作ってあげるのが先生側の役割だとも自負されているので、受験生自身が目的や目標をはっきりと持っているのであれば、その手段(職業、仕事)は現時点では重視されないと考えて問題ありません。

主張 高校時代の具体的経験で根拠づける

ここが、作文全体の肝ともなる本論(メイン)の部分であり、評価観点が新しくなった「学校推薦型選抜」でもっとも重要なところです。ここで書かれた内容を試験をする先生方は注視しており、後の面接でも質疑応答の中心となってきます。

①で示したあなたの人物像、そして将来像をかたち作った具体的な経験や出来事を書いていきます。

その際、次の点が評価されていることを意識しながら、文章を書いていきましょう。

主体性…自分の意思で決断し、行動できるか
多様性…偏見をもたずに人の価値観を尊重できるか
協働性…他人や組織と協力して物事を進められるか

 地域に貢献したいという気持ちが強まったのは、高校2年生の冬休みに地元のボランティアとして外国人児童に餅つき体験をしてもらうイベントに参加したことです。地元の米作り農家に協力してもらい、お餅がどのようにしてできるのかを生産から加工まで通して外国人の小学生たちに知ってもらい、日本文化についての理解を深めてもらう企画でした。

私は外国人児童に参加してもらうためのチラシを作成し、配布する役割を担ったのですが、作っているうちに「もっとたくさんの人に参加してほしい」と思うようになりました。とくに、高齢者の方が町とのつながりを認識するのにもいい機会だと考え、同じボランティアで参加していた地域住民の方にも協力してもらい、戸別訪問をしてチラシを配ることをしました。

イベント当日には、外国人の小学生はもちろんですが、その数を上回る高齢者の方々が来てくださり、たくさんの方の笑顔を見ることができました。同時に、やり方次第ではもっと多くの方に参加してもらうこともできたと反省もしました。また、イベントは今回のように一度きりで終わるのではなく、毎年続けていくことができるような仕組みもつくっていく必要があるとも思いました。(501字)

「主体性」で評価されるところ

作っているうちに「もっとたくさんの人に参加してほしい」と思うようになりました。とくに、高齢者の方が町とのつながりを認識するのにもいい機会だと考え、

「もっと良くしたい」「どうしたら改善できるだろう」と自分で課題設定ができ、解決するための手段を考えて行動できるかどうかは重要です。

実際に大学に入学してからも、漫然と授業を聞くだけの学生よりも、自ら課題を見つけて取り組んでいける学生のほうが大学側が求めていることは明らかでしょう。しっかりと「主体性」を持って行動できることをアピールしましょう。

「協働性」で評価されるところ

同じボランティアで参加していた地域住民の方にも協力してもらい、戸別訪問をしてチラシを配ることをしました。

大学の授業やゼミでも、他者と協力して研究する場面はたくさんあります。また、社会に出てからも必須となってくるのがチームで行動して結果を出していくための「協働性」です。

文章だけでは伝わりにくいところではあるので、面接でも深掘りされる可能性が高い項目ですが、まずは「他人と協力することがいかに大切かを知っている」ことをしっかりと明記しておきましょう。

高校時代の経験エピソードは、「意見(感想)」と「事実(情報)」をしっかりと分けて書くことも大切です。たとえば、「いつ」「どこで」「どのようなこと」をしたのか、という「事実(情報)」は、エピソードの場面を読み手に想像してもらうためにも必須です。共感を得てもらうためにも、時系列や場所なども整理して分かりやすく情報提示しましょう。

また、それらの「事実(情報)」に対して、必ず自分がどのように思ったのか、どう感じたのかという「意見(感想)」も書くように意識しましょう。

結び付き 大学を選んだ理由でイメージづける

①と②で、自分のことを知ってもらうための文章を書いてきました。③では、それらをもとにして、「大学で何を学んでいきたいのか」を明確に示します。

読み手である先生方もとくに気になるポイントです。なぜなら、自分たちのことをどれだけ受験生が調べているかがわかるとともに、具体的に受験生が入学した後の大学でのイメージを想像しやすいので、「大学側が求める学生像(AO;アドミッション・ポリシー)」と合っているかの判断がしやすいからです。

書く前には、次の方法で大学についての情報を集めるようにしましょう。

オープンキャンパスへの参加
入試説明会への参加
大学HPや募集要項の確認
高校の先生や塾の先生に聞く
部活の先輩や卒業生に聞く
大学の学園祭や文化祭に行く
平日の大学に見学に行く

 貴学が毎年主催している「未来の学びの国際フォーラム」では、地元企業や自治体、海外の学生たちと研究成果を発表し合い、討議をすることができます。私も入学後には地域経済についての研究を重ね、一年次から発表・討議に参加するつもりです。

実際に、昨年のフォーラムにオーディエンスとして参加しましたが、一年次から堂々と発表し、海外の学生にも負けず劣らず主張をぶつけている貴学の先輩を目の当たりにしてからは、その思いが日に日に増していっています。(215字)

私も入学後には地域経済についての研究を重ね、一年次から発表・討議に参加するつもりです。実際に、昨年のフォーラムにオーディエンスとして参加しましたが、一年次から堂々と発表し、海外の学生にも負けず劣らず主張をぶつけている貴学の先輩を目の当たりにし

大学についての情報を、自身の目標に重ねて書くことが大切です。「どのような学びの場があり、自分はどう成長したいのか」という「主体性」をはっきりと示しましょう。

また、大学側にとっても「大学の取り組みが学生に評価されている」と実感ができると受験生に好印象を持ちやすく、その後の2次試験で課せられる面接にも有効です。

ナビまる
ナビまる
高校3年生になってから慌てて調べるんじゃなくて、もっと早いうちから大学に関する下調べをしておくことが大切だよ。とくに、オープンキャンパスは1年生からでも参加できるから、早め早めに準備しておこう。

気持ち 将来の夢で気持ちに訴えかける

これまでは事実や意見をもとに、なるべく分かりやすく丁寧に文章を書いてきました。最後は、気持ちの部分を力強くアピールして作文を締めくくります。

文章は1~2行で端的に、将来の夢や目標を示すと効果的です。

 地域社会がもっと明るく、元気を取り戻せるように、貴学でたくさんのことを学び、育ててくれた町に恩返しをしていければと思います。(62字)

 

このように、自己推薦書や志望理由書を書くときは、「4ステップ」の構成を意識して作文を書いていきましょう。その際は必ず「大学が求める学生像」について事前に情報を調べ、行動に移していくことが大切です。

4ステップ作文のおさらい!

興味 自分の人物像
(興味や関心、問題意識、将来像)

主張 高校時代の具体的な経験
(①の根拠・きっかけ・補足)

結び付き 大学を選んだ理由
(研究内容、求める人物像)

気持ち 将来の夢
(社会に出た後の目標や夢)

大学の情報収集方法のおさらい!

オープンキャンパスへの参加
入試説明会への参加
大学HPや募集要項の確認
高校の先生や塾の先生に聞く
部活の先輩や卒業生に聞く
大学の学園祭や文化祭に行く
平日の大学に見学に行く

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