中学受験

中学受験を塾なしで挑む前に親が理解しておくべきデメリット

塾なし中学受験のデメリット

塾に通わずに中学受験をする「塾なし中学受験」で見事第一志望に合格した

そのような中学受験ブログや書籍の成功体験を読むと、「我が子も塾に行かずに中学受験ができるかもしれない」と思われる保護者の方もいるかもしれません。とくに、ご自身が中学受験を経験していない場合や最近になって受験熱の高い都市部に移り住んできた人には顕著でしょう。

ですが、ちょっと待ってください。中学受験はほんとうに塾に通わなくとも成功させられるものなのでしょうか。そこにはどのような問題やデメリットが存在するのでしょうか。

今回は、そのような「塾なし中学受験」の問題点について詳しくまとめています。

次のようなことが書いてあります

塾なし中学受験をする理由
塾ありのメリット
塾なしのデメリット
塾なしで乗り切る方法とは

中学受験をする親の年収はどのくらい?

中学受験の年収の2人目
中学受験は年収いくら必要?2人、3人私立の費用は家計崩壊につながりかねない中学受験の費用は、年収400万・600万・800万・1000万でどのくらい家計を圧迫するのか。私立中学や二人目受験を考えている家庭向けにまとめています。...

 

目次

塾なしで中学受験をする理由

塾なし中学受験の理由

中学受験を塾なしで挑む理由は、「ポジティブな理由」と「ネガティブな理由」の2種類に分けることができます。

中学受験を塾なしで挑む理由(ポジティブ)

ポジティブな理由
・習い事などに時間を割きたい。
・親が勉強を教える事に自信がある。
・学校の成績が良いので自宅学習で十分だと思っている。

塾なしの理由①「習い事やスポーツに時間を割きたいから」

小さい頃から習っているピアノや野球など、受験勉強以外のことにも取り組みたいケースです。

拘束時間や移動時間が長い塾には通わず、家で勉強を完結させることで余計な時間を省きたいという考えがあります。

塾なしの理由②「親が子どもに勉強を教えることに自信があるから」

ご両親のどちらかが元塾講師や元家庭教師などで、自宅で入試対策ができると考えているケースです。

市販教材や通信教材などを活用し、親が学習計画を立てて細かく学習管理をしていきます。母親が専業主婦で自宅に長時間いられる場合が多いです。

塾なしの理由③「学校の成績が良いので自宅学習で十分だと思っているから」

小学校5・6年生の時点で、学校内でトップの成績を取っており、中学受験も問題なくできると勘違いしているケースです。

いわゆる「中学受験初心者」と揶揄されるタイプなので、まずは実際に志望している中学入試の過去問題を子どもに解かせる必要があります。小学校の勉強と中学入試問題はそもそもの学習範囲も問題構成もまったく違うことに気づくでしょう。

ポジティブな理由の共通点として多いのが、中学入試や中学受験全体の流れについての情報が不足していることです。

とくに、まだ小学校低学年で一度も塾に通ったことがない、これからの進路をどうするか悩んでいるご家庭に多く、「塾なしか塾ありかを検討している」段階だといえます。

中学受験を塾なしで挑む理由(ネガティブ)

ネガティブな理由
・子どもが塾を嫌がっている。
・子どもが受験自体を嫌いになった。
・経済的に通塾するのが難しい。

塾なしの理由④「子どもが塾に通うことを嫌がっているから」

仲の良い友達がクラス替えで離れ離れになたり、競争や成績評価が明らかになったりして、塾に行くことを子どもが億劫になっているケースです。

成績が思うように伸びないと塾の先生だけでなく親からのプレッシャーを感じてしまい、勉強することが嫌になってしまいます。

塾なしの理由⑤「子どもが受験そのものを嫌いになっているから」

中学受験そのものへのモチベーションが低下し、なぜ中学受験をするのかが子ども自身曖昧になっているケースです。

初心に戻り、志望校に行きたい理由や目的を見つめ直し、学習意欲を高める工夫が必要になります。

塾なしの理由⑥「経済的に通塾するのが難しいから」

家計に塾に通わせるだけの余裕がなく、教育費を抑えたいと考えているケースです。

なるべく、家庭学習で済むならと考えていますが、中学入試について親がサポートできる体制がなければ破綻しかねません。

ネガティブな理由の共通点として多いのが、一度は塾に通っていたが、子どもや家庭の問題などから通塾することに後ろ向きになり、代替案を探しているという状態です。中学受験という目標そのものを見直す必要があるともいえます。

ナビまる
ナビまる
中学入試は親の想像をはるかに超える勉強時間、勉強量が必要なんだよ。このあと、詳しく見ていこう。

 

塾あり中学受験のメリット

中学受験が塾ありのメリット

通塾することで得られる中学受験対策のメリットについて、とくに重要な2つをご紹介します。なお、ここでの塾とは集団学習の塾を指しています。

塾のメリット①「ゴールまでの学習カリキュラムを立ててもらえる」

塾に通うことの最大のメリットとは、中学入試までの学習カリキュラムを塾が主体となって作成、管理してくれるところです。

中学入試は膨大な学習量をいかに効率よく処理できるかが鍵になってきますが、塾は過去の実績やデータをもとに最適なカリキュラムを作成してくれるので信頼できます。

一般的な学習塾の中学受験カリキュラムでは、小4の2月からカリキュラムがスタートし、新小5の夏休みには中学入試の内容をすべて完了している場合が多いです。

中学入試は毎年傾向や対策も変わるので、いかにご両親が元教育系経験者だったとしても、最新の情報をもととした受験対策カリキュラムは作成できないでしょう。

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塾のメリット②「先生や友達が子どものサポート役になってくれる」

塾の先生は受験生の学習指導だけでなく、学校や家での様子、進路などについても相談に乗ってくれます。親や学校の先生には聞きづらいけれど、仲の良い塾の先生には話ができる、という場合も多く、受験生の精神面を支えてくれる心強い存在です。

また、同じ教室に通う友達の様子や努力を見聞きして、自分もがんばろうと学習意欲を高めることもあります。子どもにとってのモチベーションの源泉が多くあるのが塾の強みでもあります。

 

塾なし中学受験のデメリット

塾なしの中学受験デメリット

ここでは、塾に通わずに中学受験に挑んだ結果、陥ってしまう可能性がある事例を3つ紹介していきます。

塾なしのデメリット①「反抗期になると子どもは親の言うことをきかない」

中学受験対策を始めたときは大丈夫かもしれませんが、小学校6年生くらいには反抗期がピークにさしかかる子どもが多いです。とくに、女の子の場合は5・6年生で反抗期を迎えることが多く、そんな時分に親からの学習指導など素直に聞けるはずがありません。

さらに、親が志望校も決定し、子どもにとって中学受験の目的が明確になっていない場合には途中でドロップアウトしてしまう可能性も高く、中学受験を終えた後の親子関係にも亀裂が入る恐れがあります。

塾なしのデメリット②「親がすべてを管理しなければならない」

自宅学習となるとカリキュラムはもちろんのこと、教材選びから親が行わなければなりません。市販の教材を探すときには、良書を選ぶための情報収集が必要ですし、子どもが志望する中学校の入試傾向や対策方法も一通り理解しておく必要があります。

また、小学生が自宅学習を進めるうえでは、親の管理下のもとに毎日の学習習慣を作っていくことが絶対条件になります。仮に共働き世帯で親の帰りが夕方にでもなるのであれば、まず間違いなく受験勉強は成立しないでしょう。

ナビまる
ナビまる
国語や理科、社会はある程度子ども一人でも進められる部分はあるよ。でも、算数は分からない問題が出てきたときには、親がちゃんと教えてあげないといけないからね。教科についての理解も必要になってくるんだよ。

親が子どもに算数を教えてあげられるように、次のような教材で小学校の算数を学び直すことも重要です。ただし、あくまでも小学校算数の基礎しか書かれていないので、中学受験対策は親も一緒に勉強していく心構えを持ちましょう。

塾なしのデメリット③「中学入学後に勉強でつまずく可能性が高い」

塾なし中学受験は中学入学後にも悪影響を及ぼす恐れがあります。

せっかく努力して志望校に合格できたとしても、他の受験生に比べて基礎学力が備わっていなかった場合には、中学校の授業についていけず、やがて子どもの学習意欲そのものを低下させる危険性もあります。あえて、中学受験は無理をせずに、高校受験までを見据えた進路を考えることも得策です。

ナビこ
ナビこ
そもそも中学受験をすることが目的じゃないもんね。その中学校に行って何がしたいのか、どんな人になりたいのか、目的をちゃんと見つめ直す必要があるのよね。

 

塾なしで志望校に合格する方法とは

中学受験を塾なしでする方法

これまで、塾に通わずに中学受験をすることに批判的な意見を述べてきましたが、ご家庭の事情によってはそれでもやむを得ず、塾なし中学受験をしなければならないこともあります。

そこで最後に、塾なしで中学受験をする方法を検討優先順にご紹介します。まずは、①で提案した方法を検討し、無理な場合は次の方法へ、といったように順番に検討してみてください。

塾なし中学受験の方法①「学力偏差値にとらわれない新入試に挑戦する」

2020年度入試では、今年度から学習指導要領が新しくなることもあり、中学入試の形態が多様化しました。「適性検査型入試」や「思考力型入試」ともいわれる、学力の偏差値にとらわれないユニークな入試を課す中学校が近年増えています。

新しい中学入試の例
・適性検査…駒込中学
・アドベンチャー入試…武蔵野大学中学
・多文化共生試験…玉川聖学院
・帰国生入試…東京都市大学付属中学
・リベラルアーツ入試…宝仙学園中学

もっと知りたい方はこちらのサイトに詳しくまとめられているので、学校を検索してみてください。
インターエデュ

もちろん、従来の形式に捉われない入試とはいえ、中学受験対策は必要になってきます。ただし、まだ入試創設1年や2年と若いものが多く、具体的な対策方法も確立されていないことを考えると、塾に頼らずとも合格できる可能性は高いでしょう。

志望校がまだはっきりしていないのであれば、新入試を実施している中学校の入試説明会やオープンスクールなどに積極的に参加して情報を集めましょう。これまでは新入試を実施していなくても、次年度以降に新しく創設される可能性もあるので、常にアンテナを張っておく必要があります。

塾なし中学受験の方法②「塾の土日コースや家庭教師を利用する」

中学受験対策に実績のある塾では、受験生のコースも多様に用意されています。平日は通塾できない、経済的に厳しいなどの理由があるのであれば、たとえば「土日限定コース」のように週2~3日程度のコースを選択することも一つの手です。

コース内容で代表的なものは、土日に毎週テストが課せられ、その解説授業を受け、平日は自宅学習で進めていくといったものです。これなら塾のカリキュラムにも乗りながら必要最低限の学習指導を受けて受験勉強を進めていくことができます。

また、経済的に余裕があるのであれば、家庭教師に頼むというのも効果的です。ただし、完全に先生と一対一の関係となるので、子どもと先生の相性を見たり、お試し期間を設けたりするなど、慎重に検討を重ねましょう。

塾なし中学受験の方法③「Z会の通信教育を利用する」

Z会の通信教育では、塾に通いながら併用するコースと自宅学習で完結するコースの2種類があります。
Z会の通信教育中学受験コース

志望校によっては対象外となる場合もありますが、首都圏入試であれば対応しているものも多いので、通信教育を利用することも検討しましょう。

ただし、Z会の通信教育だけでは自宅学習のみになってしまうので、たとえば、塾の春期講習には参加したり、県内模試や学校模試などにも積極的に参加したりして、テストの雰囲気をつかむ場所は確保する必要があります。

また、いきなりZ会の通信教育に頼ると、自宅での学習習慣ができていない受験生にはきわめてハードルが高いです。できれば4年生くらいから通信教育を試してみるなど、早め早めに対策をとる必要があります。

塾なし中学受験の方法④「四谷大塚の予習シリーズを利用する」

上記①~③が難しい場合に、最後の手段としては四谷大塚の予習シリーズ問題集を利用することです。小学1年生~6年生まで学年別に中学受験対策教材が販売されているので、早期から中学入試を見据えて自宅学習をスタートします。
四谷大塚の予習シリーズ問題集

ただし、これもZ会の通信教育同様に、各種模試を受けたり、過去問を何度も解いたりして対策をする必要があります。

まずは、こちらの問題集で中学入試の雰囲気を掴んでくることもいいでしょう。

ということで、学習塾に通わずに中学入試に挑む「塾なし中学受験」について詳しくまとめました。

中学受験は長く厳しい道のりですし、ご家族の支えがなければ成立し得ないものです。初めに家族全員で目標を共有し、全員協力体制をつくったうえで中学受験に臨むようにしてください。