新型コロナウイルスによって休校を余儀なくされ、学習の進度に遅れが出ている高校生たちの学習支援策として、通信大手のKDDIと英会話大手のAEON(イーオン)が協力して、全国の高校生1万人を対象とした無料の英会話レッスン「高校生向け英語上達特別プログラム」の募集を開始することを発表しました。
実に4か月間という長期間にわたって、イーオンが通常提供しているレッスンや新たなオンラインレッスンを組み合わせた特別プログラムを抽選で選ばれた高校生に無償提供されます。その額はなんと一人当たり約25万円相当と破格の学習支援サービスとなっています。
はたして、KDDIとイーオンが手掛ける「高校生向け英語上達特別プログラム」とはどのような内容なのでしょうか。申込が開始された募集要項やイーオン公式HPなどから、その詳しい内容をまとめていきたいと思います。
特別プログラムの口コミや評判
特別プログラムの申込方法や資格
特別プログラムは大学受験対応?
目次
KDDI×イーオンの高校生向け英語上達特別プログラムのコース内容
高校生向け英語上達特別プログラムとは
イーオンとKDDIが手掛ける「英語上達特別プログラム」とは、イーオンが通常提供している一番人気の「ラウンドアップレッスン」に加えて、新たに高校生向けの学習内容を盛り込んだ英語学習支援プログラムのことをいいます。
英語上達特別プログラム
具体的なプログラム内容は次のようになります。
- ラウンドアップレッスンをスクール形式で受講する
- 大学受験対応の文法・ライティングを自宅学習形式で受講する
- マンツーマン指導をオンライン会議形式Zoomで受講する
- 長文読解のコツや学習方法をオンデマンドで受講する
- 受講者限定の特別イベントをSNS上で実施する
教材内容、レッスン内容、無料で受講できるサービスは次のとおりです。
ビデオ会議サービス「Zoom」を活用したマンツーマンのオンラインレッスン計2回 ×1回50分。
PCやスマホでレッスンの予習と復習ができる英語学習コンテンツアプリが使い放題。
「受験に役立つ特別セミナー」のオンデマンド配信を視聴できる。
イーオンのラウンドアップレッスンとは
イーオンで人気のラウンドアップレッスンは、毎回のレッスンごとに学習する文法事項が決まっており、知識として蓄えた文法を駆使して実際に英会話を実践するレッスンのことをいいます。英語上達特別プログラムでは週1回50分×4カ月間の少人数制グループレッスンです。
どのような学習効果が得られるかというと、文法や構文を覚えるだけで終わっていた知識を実際に使うことで、
・いろんな場面で英文を作れるようになる
・言いたいことを正しく英語で表現できるようになる
といった使える英語力を鍛えることができるレッスンです。
高校生向け英語上達特別プログラムの募集内容・申込方法
イーオン×KDDIによる英語上達特別プログラムの申込期間、抽選期間、受講期間、受講条件や注意事項は次のとおりです。
英語上達特別プログラム申込
申込期間 | 2020年7月7日~ 2020年8月3日12時 |
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抽選期間 | 2020年8月4日~ 2020年8月31日 |
受講期間 | 2020年8月31日~ 2020年12月31日 |
対象者 | 国内在住の高校生・高専生 |
条件 | ・保護者(親権者又は後見人等)の同意が得られていること・申込み時に高校生(高専含む)であること ・2020年9月~12月の4ヶ月間、週1回のペースでスクールに通学が可能であること ・インターネット環境を持っていること |
申し込み期間中に現役の高校生(または高専生)であれば英語上達特別プログラムに応募することができます。ただし、国内在住に限るので、海外に住んでいる日本の高校生は応募しても無効扱いとなってしまいます。
また、条件に4か月間週1回のペースでイーオンのスクールに通う必要があります。応募する際に全国47都道府県にある250以上のスクールから自分が通いやすいスクールとして第1希望と第2希望のスクールを選択することになります。関東圏や関西圏の都市にはスクールが集中しています。
希望するスクールが抽選に影響するかどうかについての記載は募集要項に見られませんでした。ですが、スクールの収容人数にも限りがあることやある程度は学生を分散させることが考えられるため、応募時の希望スクール場所が抽選結果を左右する可能性は高いといえます。
イーオンとKDDIの関係性
KDDIがイーオンを買収して子会社化
少し脱線しますが、今回の英語上達特別プログラムは英会話大手のイーオンと通信大手のKDDIが手を組んだかたちとなっていますが、実は2018年にKDDIが英会話イーオンを傘下に持つイーオンホールディングを買収しました。全株式を取得したので実質的にはKDDIの事業の一つとして英会話イーオンがある状態です。
KDDIといえばauの携帯事業をはじめ、国内有数の電気通信会社ですが、2017年11月に教育市場への新規参入を目的として英会話イーオンを買収することを発表しました。
・2020年度からの小学校英語教科化
・大学入試での英語4技能評価
・インバウンド旅行客の増加
上記の理由から語学教育市場は今後成長市場であると考え、買収後には電気通信事業で培ってきたAIやVRといった技術面を取り入れ、KDDIとしての事業拡大がねらいにありました。
さらには、auユーザーに直接スマホをとおしてイーオン英会話の優遇クーポンや宣伝なども想定でき、新しい事業と既存の通信事業を巧みに連携させていく目的があったのです。
イーオンとKDDIが英会話学習をデータベース化
2019年5月13日、英会話イーオンがKDDIと共同して生徒の自宅学習の状況やレッスンの進捗などをデータベース化して把握する取り組みを開始しました。KDDIが持つデータ活用のノウハウを駆使することで、生徒ごとに合ったレッスンの提供やカウンセリングなどができるようになるという取り組みです。
具体的には、「AEON NOTE(イーオンノート)」という、生徒の自宅での学習状況や出欠管理、外部英語試験の成績といった情報をアプリ上で一元管理する教材を導入し、講師がタブレットで確認できるようにしました。
個別最適化教育が始まりつつある日本教育のなかで、昨年時という早期からITを活用したEdTech分野で先行していたイーオンとKDDIですが、コロナによって状況は一変することとなります。
コロナがイーオン&KDDIに与えた影響
現在はコロナの影響もあってインバウンド旅行客は著しく減少、また大学入試も外部民間試験の導入が見送りとなったことで英会話需要は当初予想より減少が見込まれるなど、KDDI×イーオンとしても新たな一手を打ち出す必要が出てきました。
そのような背景もあり、今回のような総額25億円規模にもなる高校生向け英語上達特別プログラムが発表されるに至ったのです。まさしく、起死回生の一手でしょう。
ナガセグループによる「東進×四谷大塚の全国統一オンライン講座(改め「東進オンライン学校」)のように、無償提供を発表する教育サービスが増えているなかで、後追いのかたちとはなりますが、この英語上達特別プログラムがもっと話題になればと思います。
高校生向け英語上達特別プログラムの口コミや評判
ということで、Twitterを中心に見てみましたが、約23万人が登録した全国統一オンライン講座のときと比べると、圧倒的に口コミの数が少なく、話題にまったくされていない印象を受けました。広告の露出もはるかに少ないように感じます。
\頑張る高校生を応援‼️英語上達特別プログラム/
KDDIはイーオンと協力し、コロナ休校で学習困難となった高校生1万人を対象に、イーオンの英会話レッスンを無償で提供します!
✏️受講期間:2020年9月1日~12月31日
応募詳細などは、⬇こちらをチェック! https://t.co/S57CN65MfA pic.twitter.com/pjy6jMEtdj
— 英会話イーオン【公式】 (@aeon_tweet) July 7, 2020
英会話イーオン公式アカウントのプロモーションツイートですが、リツイート、リプともに少なく、インプレッション数を考えるとかなり厳しい数字となっています。
日本経済新聞
KDDIが英会話教室イーオンと組み、最大1万人の高校生に4カ月間のレッスンを無償提供します。これ義務教育の小中でカリキュラムに入れたらいいのになあ
地方の島々に赴任してくれる外国人が英語教育のプロではないからね
日本好きバックパッカーっぽい人も多いんだよ— Marie🌼 (@Kusu2001) July 8, 2020
学校教育との連携を望む声も。Zoomを用いたオンラインレッスンも組み込まれているものの、店舗に来店して少人数ながらグループレッスンを義務づけているところは営業的側面も感じられます。
ということで、イーオン×KDDIによる高校生対象の英語上達特別プログラムについてまとめました。
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