プログラミング

【無料】アワーオブコードのマインクラフトを使ってプログラミング体験ができる

マイクラの無料プログラミング

自宅にいながら誰でも無料でプログラミング体験ができるサイトがあります。その名も「Hour of Code(アワーオブコード)」です。パソコンやタブレットはもちろん、スマホでも手軽に本格的なプログラミング学習ができることから、全世界180か国以上で利用されており、日本の教育機関でも実用されています。

アワーオブコードのサイト上には様々なプログラミング教材があり、「マインクラフト(マイクラ)」や「アナと雪の女王(アナ雪)」「スターウォーズ」「アングリーバード」などが無料で利用できます。

そこで今回は、「アワーオブコード」に入っている「マインクラフト」を使って、小学生でも楽しくプログラミング体験ができる方法をまとめてみました。

マイクラでプログラミング体験

アワーオブコードとは?
マインクラフトとは?
アワーオブコードの始め方
マイクラのスマホでの使い方
マイクラのプログラミング学習事例

アワーオブコードとは

アワーオブコードのプログラミング

アワーオブコード(Hour of Code)とは、プログラミング学習教材が多数用意された、誰でも無料で利用できるインターネットサイトです。アメリカ発祥で延べ7億人以上が利用しています。

「Hour of Code(アワーオブコード)」HP

日本語にも対応しており、国が主体となって進める「未来の学びコンソーシアム」でも活用されています。下記に活用事例が掲載されています。

「みらプロ2020」で活用事例をcheck!

みらプロ2020とポケモン
「みらプロ2020」の小学校プログラミング指導事例まとめ(ポケモンやドコモ)小学生のプログラミング教育促進に向けて「みらプロ2020」がスタート。新たにポケモンやしくみデザインが加わり、総合的な学習の時間で17企業が協力します。学校の活動事例や教材、応募の注意点などをまとめました。...

 

マインクラフトとは

マイクラを小学生がプログラミング

マインクラフト(Minecraft)とは、仮想3D空間のなかにブロックを組み立てて、家や街を作ったり冒険したりする創作ゲームです。

子どもたちには「マイクラ」の略称で親しまれており、PCブラウザやスマホアプリで遊べることはもちろん、ニンテンドースイッチやプレイステーション、Xboxでもソフトが出されていて全世界で人気のゲームです。

Minecraft

Minecraft

Mojang¥900posted withアプリーチ

敵が出てくる「サバイバルモード」と創作に没頭できる「クリエイティブモード」がありますが、RPGのようにクエストや課題をクリアしていくわけではなく、基本的にはゲームユーザーが思い思いに目的を設定して遊ぶ「自由度の高いゲーム」です。

ビジュアル型プログラミング言語にはブロック式のものが多いですが、マインクラフトはまさしく仮想空間のなかで自由にブロックを組み立てて、人物に指示を与えたり目的地まで移動したりする形式をとっており、小学生がプログラミングを初めて学習するときの導入教材として高く評価されています。

「教育版マインクラフト」もリリースされており、ますますプログラミング教育で活用されていくことが予想されます。

教育版マインクラフト(Minecraft: Education Edition)は無料で利用できる

マインクラフトはスマホアプリも有料になっているように、基本的にはお金を払わないと遊ぶことができません。ですが、教員向けの「教育版マインクラフト」は一部の機能を無料で試用することができます。教員ではない一般の人も試すことが可能です。

「教育版マインクラフト」日本マイクロソフト社HP

 

「アワーオブコード(無料)」のマイクラでプログラミング学習をする方法

アワーオブコードの使い方

ここからは、誰でも気軽に利用できるように、スマホを用いて「アワーオブコード」のマインクラフトを体験する方法をまとめています。すべて無料で体験することが可能です。スマホの機種はiPhone7で使用しています。

アワーオブコードの始め方

①アワーオブコードのサイトにアクセスする

「アワーオブコード」HP

アワーオブコードの始め方デフォルトは英語になっているので、右上の言語選択から日本語を選択します。

②トップ画面からアクティビティ「マインクラフト(Minecraft)のHour of Code」をクリックする

マインクラフトのHour of Code「はじめる」をクリックすると、「マインクラフトのHour of Code」のページに飛びます。

③4つのチュートリアルのなかから好きなものを一つ選ぶ
マインクラフトのチュートリアル

チュートリアルは下記の4つで、チュートリアルごとに4つのアクティビティ(プログラミングゲーム)を体験することができます。

マインクラフトの4つのゲーム

・Minecraft Voyage Aquatic(海中探検)
・Minecraft:主人公の旅
・Minecraftアドベンチャー
・Minecraftデザイナー

マインクラフトのページに飛ぶと自動的に言語選択を求められますが、デフォルトの英語のまま進めてしまった場合、後から日本語に変更することが可能です。

アワーオブコードの日本語表示スマホの画面を下にスクロールすると言語選択のカーソルが表れます。
④チュートリアルを選択し、スマホ画面を横向きにします。
マインクラフトをスマホでプレイ

スマホの「画面縦向きのロック」を解除しなければゲームをプレイできません。

画面の状態と同じくOFFになっていることを確認してください。

iPhoneの場合、Googleブラウザで開くと画面が上手く作動しないことがあります。その場合は、「Safari(サファリ)」で開きなおすと解決します。画面右下のタブから「Safariで開く」を選択します。

Googleブラウザで開いた場合、上下にタブが表示されてゲーム開始ができません。
⑤キャラクターを選択して、ゲームを開始する
マインクラフトのキャラクター

マインクラフト本家と同じ、「Steve(スティーブ)」と「Alex(アレックス)」のどちらかを選択することができます。どちらを選んでもゲーム進行に影響はありません。

⑥各ステージのゲーム課題にしたがい、ブロックを組み合わせていく

マイクラで小学生のプログラミング左上のステージ内でキャラクターをゴールまで動かす指示をプログラミングします。使用ブロックは各ステージで決まっているので、ワークスペースでブロックを並べ替えて、「実行」ボタンを押します。何度も試行錯誤し、意図通りにキャラクターが動くまで修正します。

⑦課題をクリアすると次のステージへと進む

マイクラとアワーオブコードのステージ課題をクリアすると、何個のブロックでゴールまで到達できたかが表示されます。最小のブロック使用数も表示されるので、ほかのプログラミング指示も試すこともできます。

以上のように、スマホでも十分にマイクラのプログラミングゲームをすることができます。ただし、画面がかなり小さくなるので、できればPCやタブレットを使うことが望ましいです。

 

マイクラのプログラミング学習事例

教育版マインクラフトの事例

教育版マインクラフトを使って、小学校でどのような授業、体験がされているかを「未来の学びコンソーシアム」の事例から紹介します。詳しくは「教育版マインクラフトを活用したプログラミング的思考学習の推進」をご確認ください。

実証校 四国の公立小学校5校
指導体制 教師3名/地域住民や中学生など36名
生徒数 75名
・小学3年生 10名
・小学4年生 20名
・小学5年生 11名
・小学6年生 34名
授業時間 3時間(一日完結)
使用言語 MakeCode
教材 教育版マインクラフト
端末 PC/タブレット60台

マイクラを小学生のプログラミング教材に選んだ理由

マインクラフトはゲーム開発者側から与えられる目的がなく、自然を模した世界を探検したり、ブロックを組み合わせて町づくりを行えるなど、オープンワールド型のゲームのためプログラミング的思考を養うのにも優れているからとしています。

また、最近ではYouTubeでゲーム動画としても利用されており、小中学生の間での人気も高く、難しいと思われがちなプログラミング学習の導入に適しているというのが大きな理由とのことです。

プログラミング授業の指導体制

小学校、教育委員会、日本マイクロソフト社、スティング株式会社が連携して行われたプロジェクトであり、事前にキックオフ会やメンター育成が実施されました。研修時間は6時間あり、教員のみならず地元の中学生をメンターとして募集し、教材を用いてプログラミング教育についての理解を深めます。

研修内容

  1. マインクラフトの学習活用例の紹介
  2. 教育版マインクラフトの基礎操作
  3. プログラミング環境 “MakeCode” の基礎
  4. 教育版マインクラフトでのエージェントプログラミング
  5. 算数「位置の表し方」をテーマにしたエージェント制御のプログラミング

実際のプログラミング体験の様子

ワークショップの課題は、Minecraft:Education Editionに出てくるキャラクターを座標で示された目的地までプログラミングで動かすというものです。目的地は縦8、横10のように平面座標で表されていたり、縦6、横5、高さ4のように空間座標で表されたりするなど様々です。

これらは、小学4年生の算数「位置の表し方」で学習する内容とも似通っており、2020年度から小学校で必修化されるプログラミング教育の先行事例としても役立ちます。

教育版マインクラフトでプログラミング教育実際のマインクラフト画面/総務省MICより

小学生は自分のキャラクターを作り、制限されたバーチャル空間を共有してワークショップを行います。オリジナルのコスチュームのキャラクターを動かせることで、ますます学習意欲が高まり、積極的にプログラミング授業を受ける姿が見られました。

メンターの先生は「答えを教えないように注意した」と振り返っているように、基本操作を教えたあとは「前を進むためにはどうすればいいのか」「目的地にはどうしたらたどり着けるか」を子どもたちに考えさせ、プログラミング的思考を養う授業を心がけていました。

 

いよいよ4月から新課程が始まり、全国の小学校でプログラミングの授業が実施されるようになります。企業の教材開発も盛り上がっており、今年一年で多くのプログラミング授業の実践例が増えることでしょう。なかでもマインクラフトを活用した事例については注目していきたいと思います。